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2012年05月01日

「新しい社会運動として、大学における産業別労働組合を」、2012年5月 「全国大学人ユニオン」(仮称)結成準備会

「新しい社会運動として、大学における産業別労働組合を」

新しい社会運動として、大学における産業別労働組合を
-国公私立の設置形態を超えて、正規・非正規の雇用形態を超えて-
2012年5月 「全国大学人ユニオン」(仮称)結成準備会

全国の大学・短期大学等の高等教育機関ならびに研究機関に働く教育研究労働者のみなさん。
 わたしたちは、現在、全国大学人の産業別労働組合の結成のため準備を進めています。
 これまで、日本の大学における労働組合は、他の産業における労働組合と同様に、大学別に組織され、正規雇用の教職員(労働者)を中心に組織されてきました。しかし他方で、職場に労働組合がなく、組合に加入したくても加入するのが困難な労働者がいる、あるいは企業別労働組合という性格から雇用関係にある職場内の諸問題に重点が置かれざるを得ない、など限界と課題が生じている、とわたしたちは考えています。
 1990年代以降、世界的に新自由主義、経済至上主義の潮流が強まるもとで、日本でも「民営化・規制緩和」政策が席巻し、大学もその渦に巻き込まれることとなりました。そして、教員任期制、国立大学の(独立行政)法人化などの諸政策が進められ、日本の高等教育と学術は危機に瀕する事態になっています。
 教育・研究費問題は深刻化しています。科研費の重点化と一般研究費の抑制、GPをはじめとする特別教育費枠の増設などによって、研究・教育費獲得の異常な競争化か進行しています。また、国際的に見ても異常な高学費によって国民(若者)の教育権に対する侵害が続いています。
 こうした中で、大学の教育・研究者には自らの狭い利害に汲汲とするのではなく、社会的な大義と国民的利益にもとづいた知識人たるべき教育研究労働者の自覚的な運動が切望されていると考えるものです。
 このような切実な思いから、わたしたちは今、大学における産業別労働組合の結成を準備しています。わたしたちのめざす新しい労働組合は、次のようなものとして展望しています。
 まず、高等教育を担う者としての社会的責任を自覚します。学生たちの学習権を保障するために最善の努力を尽くします。
 そして、教育研究労働者として、国公私立の設置形態を問わず、正規・非正規を問わず、同じ大学界に働く労働者(教員)の利益を守るために、全国の大学を横断する形態により産業別労働組合の機能を果たします。
 さらに、憲法23条の謳う国家からの「学問の自由」を研究・教育に貫くとともに、日本社会と国際社会の発展に向け、人類が直面する諸課題に対して、国際社会の認識の到達点を踏まえ、わたしたちの足元で誠実な取り組みを進めます。
 以上のようなわたしたちの思いを汲んでいただきまして、ぜひ全国大学人ユニオン(仮称)にご賛同、ご参加(加入)いただきますようお願いいたします。結成総会は、6月10日(日)午後、京都において開催予定です。こちらにも是非ご参加いただきますようお願いいたします。


「全国大学人ユニオン」(仮称)結成準備会事務局
 塚田亮太(専業的非常勤講師)
 細川 孝(学校法人労働者)
 望月太郎(国立大学法人労働者)
 ※ 以上、アイウエオ順

連絡・問い合わせ先
細川孝(龍谷大学経営学部)
e-mail hosokawa(at)biz.ryukoku.ac.jp
電話・Fax:075(645)8634<ダイヤルイン>

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