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2013年01月04日

「高校無償化」制度から朝鮮学校を排除しないようパブリックコメントを送りましょう! 1月26日まで!

「高校無償化」措置を朝鮮学校に適用することを求める大学教員の要請書

「高校無償化」制度から朝鮮学校を排除しないようパブリックコメントを送りましょう!

 報道などでご承知のことと存じますが、安倍新政権はいわゆる「高校無償化」制度を朝鮮学校に適用しない方針を決めました。12月28日に開催された閣僚懇談会で、下村博文文部科学大臣が「朝鮮学校については、拉致問題の進展がないこと、朝鮮総連と密接な関係にあり、教育内容、人事、財政にその影響が及んでいることなどから、現時点の指定は国民の理解が得られないので、不指定の方向で検討したい」と提案したところ、安倍晋三総理大臣が「その方向でしっかり検討してほしい」と返答し、その場で了承されました。そこで政府は、野党時代の自民党が議員立法で提出した法案をベースに、朝鮮学校が指定される根拠となる条文を削除する省令改悪をおこなうこととし、12月28日よりパブリックコメント(意見公募手続)を募集しはじめました。
(文部科学大臣会見) http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1329446.htm

 パブリックコメントは下記のページから1月26日(土)まで募集しています。コメントの募集締切後、間もなく省令改悪をおこなう予定でいるものと考えられます。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000617&Mode=0

 どのような省令改悪が目論まれているかは、上記ページの「省令案の概要」をご覧下さい。また、このメールの末尾に《解説》として要点を掲載しておきました。

 わたしたちは民主・自民両政権の共同作業による朝鮮学校の排除に憤りを隠せません。文科省に寄せられたパブリックコメントにどれほどの効果があるのかは不明ですが、わたしたちの多様な反対の民意を、可能な限りぶつけたいと思います。下記の要領【1】で、ぜひ各自がコメントを文科省に送って下さい。

 と同時に、文科省に送付したコメントを、下記の要領【2】でわたしたちにもお寄せください。ブログ上で公開することにより、「パブリックコメント」を真に「パブリック」なものにしたいと考えています。

呼びかけ人一同
 板垣竜太(同志社大学)、市野川容孝(東京大学)、鵜飼哲(一橋大学)、 内海愛子(大阪経済法科大学)、宇野田尚哉(大阪大学)、 河かおる(滋賀県立大学)、駒込武(京都大学)、坂元ひろ子(一橋大学)、 高橋哲哉(東京大学)、外村大(東京大学)、冨山一郎(同志社大学)、 中野敏男(東京外国語大学)、藤永壮(大阪産業大学)、 布袋敏博(早稲田大学)、水野直樹(京都大学)、三宅晶子(千葉大学)、 米田俊彦(お茶の水女子大学)
ブログ: http://d.hatena.ne.jp/mskunv/
お問い合わせ先: msk_univ@yahoogroups.jp

***************提出要領*****************

【1.まずパブリックコメントを文部科学省に送ってください】

 1月26日(土)までに文部科学省に意見を送って下さい。
 提出先は下記のいずれかです。

郵送:〒100-8959 東京都千代田区霞ヶ関3-2-2
         文部科学省初等中等教育局財務課高校修学支援室宛
ファックス:03-6734-3177
電子メール: shorei@mext.go.jp
 ※メールの場合、件名を【パブリックコメントに対する意見】とする。

 盛り込むべき情報は下記のとおりです。

・名前
・性別、年齢
・職業(在学中の場合は「高校生」「大学生」など在学する学校段階を表記。)
・住所
・電話番号
・意見

※「御意見については、氏名、住所、電話番号を除いて公表されることがあります」とのことです。

【2.パブリックコメントを公表しましょう】

 文部科学省に寄せたコメントは、公表されるとしても先のことになりますし、文科省側で取捨選択される可能性もあります。それとは別に、朝鮮学校の排除に反対する声を集約し公表することは、「パブリックコメント」を真に「パブリック」なものにするためには重要なことであると考えます。コメントを公表しても構わない方は、下記のフォームより、文科省に送った内容をお寄せ下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/10d0216c229112

 お寄せいただいたコメントは、下記ブログで公開する予定です。
http://d.hatena.ne.jp/mskunv/

《解説》省令案の要点

 2010年4月に制度が開始された時点では、次のような外国人学校が適用対象とされました。

(イ)大使館を通じて日本の高等学校の課程に相当する課程であることが確認できる「民族系外国人学校」
(ロ)国際的な学校評価団体から認定された「インターナショナル・スクール」
(ハ)それ以外の外国人学校で文科大臣が指定したもの

 このうち(ハ)については、文科省の定める審査規程にもとづき、「高等学校の課程に類する課程」を置いていると認められれば文科大臣が指定することになっていました。その審査規程が公表されたのが2010年11月でした。専修学校の設置基準相当の指定基準であったため、それにもとづいて朝鮮高級学校を審査すれば指定されることは明らかでした。ところが民主党政権下で朝鮮学校の審査は不当に引き延ばされ続け、その挙げ句に、バトンを渡された自民党新政権がこの(ハ)規定自体を削除することにしたわけです。
 なお、(ハ)規定にもとづき、これまで2つの外国人学校が指定を受けました。横浜のホライゾンジャパンインターナショナルスクールと大阪のコリア国際学園です。これらの学校については、「経過措置を設ける」と記されています。朝鮮学校をターゲットにした省令変更により、それ以外の学校にも負の影響が及ぶことになったのです。


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