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2013年06月28日

ブラック企業大賞2013、東北大学が8位にノミネート

ブラック企業大賞
 ∟●第2回 ブラック企業大賞2013 ノミネート企業 発表!(2013年6月27日)

8.国立大学法人東北大学

 2007年12月、東北大学薬学部助手の男性(当時24歳)が「新しい駒を探して下さい」との遺書を遺し、研究室から投身自殺した。
 同大大学院薬学研究科博士課程に在籍していた男性は07年6月、「人手不足」との理由で指導教授から請われ退学し、助手に就任。当初の話では学位取得のための研究を優先できるはずが、実験機材の修理や実習指導に忙殺され、自殺直前2ヶ月の時間外労働は104時間、97時間だった。また07年10月からは指導教授の指示により、生殖機能異常などの副作用がある抗がん剤の実験に従事。排気も十分にできない環境で、ほぼ一人だけでの実験を強いられ、友人達に「もう子どもはできない」と漏らしていたという。このような環境にもかかわらず指導教授は、「仕事が遅い。他の子を採用すれば良かった」などと男性を叱責。自殺前にはうつ病を発症していたと見られている。12年3月に宮城県労働局が「業務上の心理的負荷が強い」として過労自殺と認定。12年12月には、遺族が大学側に安全配慮義務違反があったとして、仙台地裁に約1億円の損害賠償を求める訴えを起こしている。
 さらに東北大学では12年1月にも、工学部准教授の別の男性(当時48歳)が自殺している。この准教授は、室温でリチウム高速イオン伝導を示す水素化物の開発に世界で初めて成功するなど、学会で注目を集めていたが、11年3月の東日本大震災で研究室が全壊。再開を目指し、授業と並行して国内外に93日出張するなど奔走したものの、ようやくメドがついた12年1月、大学側から「2年以内の研究室閉鎖」を一方的に告げられた。心のバランスを崩した彼は、そのわずか半月後に自ら命を絶った。
 男性の死後、遺族は労災を申請し、2012年10月に「過重労働の恣意的強制があった」と認定された。


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