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2013年11月27日

未払い賃金請求訴訟速報、佐賀大学、福井大学

熊本大学教職員組合
 ∟●未払い賃金請求訴訟速報シリーズ No.3 :佐賀大学、福井大学

 11 月 7 日、この春佐賀大学を定年退職された佐賀大学教職員組合の元組合員 2 名が、国家公務員の退職金減額に準じた退職金引き下げに対して、佐賀大学法人を相手取り減額分の支払いを求める訴訟を提訴しました。その後佐賀県弁護士会館で記者会見を行いました。

 11 月 7 日に佐賀地方裁判所に訴状が提出されました。合計約364 万円の未払い退職金の支払いを求めるものです。
 13 時45 分から、佐賀県弁護士会館において原告代表1 名,弁護士4 名,佐賀大学教職員組合から 2名,全大教九州から1 名で、提訴を行った報告の記者会見を行いました。会見には NHK や各報道機関9 名が参加しました。会見では、弁護団から提訴に至った経緯が報告され、単に退職金の支払いを求めるのではなく、大学の自主性・自律性を確保することを目指しているとの説明がありました。
 その後原告を代表して豊島耕一佐賀大学名誉教授が、「経済的損失を回復すると同時に、今回の大学の決定の背景にある国立大学と文科省,政府との関係の問題点も同時に明らかにしたい。」と訴えました。
 佐賀大学教職員組合は、「佐賀大学において正常な労使関係が損なわれることに抵抗し、正常化するための職員の方々の努力に、たとえ微力でも加わりたい」として提訴に踏み切った原告に対し、訴訟費用の一部を含む支援を行うことを表明しました。同時に全大教九州協議会も佐賀大学教職員組合と協力して支援を行うことを表明しました。
 記者からは「就業規則変更が無効である,という訴訟ではないのか。」「他の大学で、政府の要請に従わなかったところはあるのか。」などの質問がありました。会見時間も約 50 分と予想以上に長いものとなり、記者としても関心が高いように受け止められました。
 8 日の朝刊では讀賣新聞,毎日新聞,西日本新聞,佐賀新聞,朝日新聞の各紙が、地方版で報道しました。このことからも、関心が深いことが受け止められます。

 今回準備時間が無かったこともあり、報告集会は開催されませんでしたが、口頭弁論など始まりましたら、九州地区単組の傍聴支援をお願いするとともに、報告集会を開き裁判の進捗状況や争点などについて、弁護士団から報告をいただきたいと思っています。
 まずは九州地区単組の支援をお願いいたします。


未払い賃金請求訴訟を福井地裁に提訴 11 月 11 日(月)

 先日の 11 月 11 日(月)11 時に福井大学教職員組合員である「未払い賃金等請求訴訟原告団」(13 人)は福井地方裁判所に提訴しました。11 時前に原告団は請求訴訟の横断幕をもって福井地裁まで行進し、11 時に提訴の手続きを行いました。
 その後、弁護士会館で11 時 15 分から12 時まで記者会見を行いました。取材には報道機関8 社が参加し、茂呂信吾弁護士の司会のもと、①原告団長の山根清志氏(福井大学教授)による提訴の趣旨説明、②副団長の月原敏博氏(同教授)による闘いの経過報告、③弁護団長の島田弁護士による訴状説明、④全大教の中嶋哲彦氏(中央執行委員長)と長山泰秀氏(書記長)による全国の闘いの現状についての報告、が約 30 分程度行なわれました。基本的な争点は「就業規則の不利益変更に合理性が認められるか」です。山根団長は、今回の裁判は未払い賃金を取り戻すという闘いであると同時に、大学における民主主義の問題でもあり、大学の自治・学問の自由の問題でもあると訴えられました。報告後記者からの質問がいくつか出されましたが、最後に海道宏実弁護士は、今回の訴訟は未払い賃金を取り戻すという経済的な要求だけではなく、山根団長も強調れたように、大学の自治や学問の自由を掲げた闘いでもあるということを強調しました。

<提訴の争点>
① 賃金減額無効
ア 最大10%の減額幅は大きい
イ 人事院勧告に基づいて切り下げられた賃金をさらに切り下げるもので不当
ウ 福井大学の給与水準は、国家公務員・他国立大学法人と比較して、少ない
エ 看護師等の一部職員のみ、減額対象となっていないのは不合理
オ 減額幅を圧縮している大学がある中で、減額回避・緩和措置が検討されていない
カ 財政上の必要性が示されていない
キ 大学側は給与減額を既定路線として説明するばかりで、誠実な団体交渉がなされていない

② 退職手当減額無効
ア 平均400万円の減額を目標とするもので減額幅が大きい
イ 減額の必要性(大学の財政状況、職員の退職手当が民間と比較して不相応な状況にあることなど)が示されていない
ウ 不誠実な団体交渉

<原告団の結成大会開催される>
 11 月 11 日の提訴に先立って、11 月 5 日(火)18 時 30 分から 19 時 30 分まで教育地域科学部 11講義室で原告団の結成大会が開催されました。参加者は24 人。内容は、①山根原告団長の挨拶、②訴訟弁護団の紹介と挨拶、③全大教及び県内外の支援団体からの連帯の挨拶(全大教・村井副執行委員長、吉田高教組委員長、県国公)、④この間の経過報告と今後の方針、⑤参加者からの発言、⑥閉会の挨拶。参加者からは、生活設計が大変な事態になっていること、このまま黙っていてはいられず、どこに不満や要求をぶつけていいのか、という怒りの声が聞かれました。結成大会は提訴に向けた意思統一を確認する場となりました。終了後、牧島荘にて懇親の場を持ちました。
(『原告団ニュース』第1 号より一部転載)

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