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2014年01月09日

文部科学省、世界の頭脳を丸ごと誘致 国立大学を強化

毎日新聞 2014年01月03日

 文部科学省は来年度から、海外の世界トップクラスの大学研究者を研究室スタッフを含めて丸ごと日本の大学に誘致する方針を決めた。「ユニット誘致」と名付け、まず京都工芸繊維大、北海道大の国立2大学で開始予定。国立大の機能強化の一環で、国内初の取り組みとなる。今後、大学のグローバル化を加速させるため、国立大を中心に実施校を広げていく方針だ。

 ユニットは教授、准教授、助教のほか大学院生ら5?10人程度のスタッフで構成し、誘致期間は1ユニット5?10年。誘致する大学にとっては、共同研究・開発が活性化する上、学生が海外留学しなくても世界トップクラスの研究者の指導を受けられる利点がある。

 1級建築士試験の合格者が国公立大でトップ(2012年度)の実績を持つ京都工繊大はデザイン、建築分野で世界最高レベルの研究者がいる英国王立美術大やスタンフォード大(米国)、チューリヒ工科大(スイス)などから計4ユニットを誘致する計画。既に交渉を進めており、早ければ4月にも実現する。

 学内に研究室を設け、日本人大学生向けの講義も想定しているほか、日産自動車やソニー、清水建設など世界有数の国内企業との共同研究プロジェクトも予定し、誘致される研究者側にもメリットがある。古山正雄学長は「これを機にグローバル化をさらに進めたい」と話している。

 北海道大は、がん治療や感染症の分野で著名な研究者がいる米国やオーストラリアなどの大学からの誘致を予定している。

 文科省国立大学法人支援課の担当者は「各大学の強い分野をさらに強化することで、他の部門への波及効果も期待できる」と話している。【三木陽介】


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