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2014年02月07日

京都大学一方的賃下げ無効・未払い賃金請求事件、第三回口頭弁論報告

京都大学職員組合
 ∟●職員組合ニュース(2014年2月4日)

第三回口頭弁論報告
-京都大学一方的賃下げ無効・未払い賃金請求事件-

京大職組 副委員長 髙山 佳奈子
(法科大学院教授)

 京大賃金訴訟では第 2 回・第 3 回の口頭弁論が 2013年11月19日と 2014年1月14日に京都地裁で行われ、いずれの回も最大の 101 号法廷の傍聴席をほぼ原告の支援者で埋めることができ、終了後の報告集会にも多数のご参加をいただきました。この2 回を通じ、被告側からは第 1 準備書面、原告側からは第 2 準備書面の提出がありました。
 本件における被告の第1の主張は、原告が賃下げに同意しているという、他に類を見ない内容となっています。
 第 2 の主張は他大学にも共通の、賃下げに合理性があるとするものです。しかし京大の場合、財政面では 32億円の目的積立金と 216億円の積立金があり、代償措置を実施しないことを団体交渉の場で明言し、賃金減額率の算定に関する資料も非公開にしていました。それにもかかわらず、被告側は準備書面で、財源がなかった、代償措置を行った、教職員への周知徹底を図った、等の事実に反する主張を並べています。
 虚偽であることがすぐにわかる内容を除くと、被告の実質的な主張は、「国からの交付金を得ている以上、国の方針に従わないことは不可能」とする点のみになっています。これは、法人化以前にすらありえなかった、大学の自治の否定そのものです。そもそも、国が出した文書自体、賃下げを強制する効力はなく、労使の自主的な判断を求めていたにすぎません。事実、京大では看護師などの医療職の賃下げは全く行われませんでした。賃下げを実施しなかった場合に何らかの制裁が予定されたという事実はありません。早大・慶大のような大規模私大は国から年 100 億円近い補助金を得ていますが、賃金削減を求められていませんし、会計検査院は 2013年10月31日の報告書で、2012年度に復興財源とされたもののうち 1兆 3000億円が被災地と直接関係のない予算であったと指摘しています。私たち原告は、賃下げの合理性を裏付ける事実が皆無であることを引き続き主張していきます。
 次回、第 4 回口頭弁論は、3 月 14 日(金)15 時から、同じく京都地裁 101 号法廷にて行われます。みなさまの応援をどうぞよろしくお願いします。


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