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2014年04月07日

親のスネ 細くなる一方 首都圏 私大生仕送り最低8万9000円

東京新聞(2014年4月6日)

 首都圏を中心とする私立大に二〇一三年度に入学した下宿生への仕送り月額(六月以降の平均)は十三年連続で減少して八万九千円となり、一九八六年度の集計開始以降で過去最低を更新したことが、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査で分かった。
 調査は昨年五~七月、茨城、栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川の六都県にある十五大学・短大の新入生を対象に実施し、保護者五千四十八人から回答を得た。うち下宿生は千九百五十八人だった。
 下宿生への仕送り額は前年度より五百円減り、ピークだった九四年度の十二万四千九百円から三割近く減少した。仕送り平均額から家賃平均額を引いた生活費は一日当たり九百三十七円となり、過去二番目に低かった。
 一方、自宅生も含めた保護者の平均年収は九百一万九千円で、過去最低だった前年度から約二十七万円増えたが、東京私大教連の担当者は「家庭の経済状況が厳しいことに変わりはなく、仕送りを増やすまでの余裕はないようだ」と話している。
 受験費用のほか初年度納付金、住居費、四~十二月の仕送り額の合計は二百九十三万八千二百二十六円で、年収の三分の一を占めていた。

私大下宿生への仕送り額最低に 月8万9000円

日経新聞(2014/4/4)

 首都圏を中心とする私立大に2013年春に入学した下宿生への仕送り額(6月以降の月平均)は月額8万9千円で、13年連続で減少したことが4日、東京地区私立大学教職員組合連合の調査で分かった。前年度より500円減で、1986年度の調査開始以来の最低を更新。ピークの94年度(12万4900円)と比べると3割近く減った。

 東京私大教連は「世帯収入は伸び悩んでおり、大学生を抱える家庭の厳しい家計が浮き彫りになった」と指摘。学費負担を軽減する給付型奨学金などの助成制度の拡充を国に求めた。

 調査は昨年5~7月、東京や神奈川など6都県にある15大学・短大の新入生の保護者を対象に実施。仕送りをしている1958人の回答を分析した。

 調査によると、仕送りの平均額は11万9300円だった00年度から年々減少。一方、家賃の平均額は同年度の5万9600円から微増傾向が続き、13年度は6万900円になった。

 仕送りから家賃を引いた1カ月の生活費は2万8100円。1日当たり937円で、最も多かった90年度(2460円)の4割にとどまる。受験費用や住居費、4~12月の仕送りなどの合計は293万8226円で、回答した保護者の平均世帯年収(901万4千円)の32%を占めた。

私大生:経済効果は?仕送り過去最低、生活費1日937円

毎日新聞(2014年04月04日)

 首都圏の私立大・短大に昨春入学した自宅外通学生の生活費は1日937円??。東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)が4日、こんな調査結果を発表した。仕送り額は13年連続で減少し過去最低を更新。「アベノミクス」の経済効果が、1人暮らしの大学生を抱える家庭にまでは浸透していない実態が浮き彫りになった。

 調査は早稲田大、明治大など首都圏の15私立大・短大の新入生の保護者を対象に昨年5?7月に実施。5048人から回答を得た。このうち自宅外通学は約4割。仕送り額は月平均8万9000円で、1986年度の調査開始以来過去最低だった前年度より500円下がった。仕送り額から家賃を引いた生活費は1日平均937円。2年連続で1000円を切り、過去最高だった90年度(2460円)の半分以下だ。

 同教連によると、不足分を補うためのアルバイトで疲れ切った学生も珍しくなく、生活費を節約するため安価な学生食堂さえ利用せず、昼食に弁当持参の学生も目立つという。

 文部科学省は奨学金事業の改善を図るとして、今年度予算で、無利子奨学金の貸与人員を前年度より2万6000人増やし45万2000人(1人当たり平均年間68万円)とするなど対策を講じている。同教連は、返済の必要がない給付型奨学金の創設や希望者全員への無利子奨学金貸与を求めている。【三木陽介】


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