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2014年04月11日

全大教、「大学自治を破壊する学校教育法改正に反対します」

全大教
 ∟●全大教新聞、第298号(2014年4月10日)

大学自治を破壊する学校教育法改正に反対します

 中央教育審議会大学分科会(会長・安西祐一郎氏)が2月12日付で「大学のガバナンス改革の推進について (審議まとめ)」を公表しました。その中では。学校教育法を改正することで教授会の権限を大幅に制限すべきとし、また。学長・学部長の選考過程に教職員が投票などの方法で参加することも否定しています。
 全大教中央執行委員会は、3月9日付で声明を発表し、「審議まとめ」の撤回を求め、学校教育法を「改正」して教授会権限を制限することに反対する立場を表明しました。
 声明を紹介し、「審議まとめ」の危険な性格とそれに対する全大教の立場をお知らせします。声明全文は全大教HPからご参照下さい。
 全人教は今後、広く大学人、市民とともに、今国会に提案するとされている学校教育法改正に反対する運動を行っていきます。

「大学のガバナンス改革の推進について(審議まとめ)』の撤回を求め、学校教育法の「改正」に反対する(声明の骨子)

※多様性を損ない国民の学ぶ権利の危機をまねく:
「ガバナンス改革」の目的は、国策としての国際競争力強化に奉仕する大学をつくり上げること。「審議まとめ」の大学改革では、大学の教育・研究が経済的利益と経営効率に従属させられ、知と価値の多様性が大きく損なわれてしまうだろう。

※大学自治は不可欠:
学問の自由、そのための大学自治権の保障は、国民全体が学問の自由と高等教育を受ける権利を享受することの保障のため。学校教育法において、大学の蹴要事項を審議するために教授会を置<と定めた背景は、この憲法からの要請を法律上確認したもの。

※大学自治は歴史的・国際的に認められてきたもの:
ユネスコの勧告の中で、学間の自由を保持するためには大学自治の保障が不可欠であることが強調され、これが国際的基準。「審議まとめ」による改革では、日本の大学は国際的には大学とは呼べない人材育成機関になってしまいかねない、

※権力に從俗した学長専制体系でなく、真の学長のリーダーシップ確立を:
日本の大学が抱える問題点の多くは,政府・文科省の誤った政策に基づいた大学の誘導・統制に起因、2004年の国立大学法人化以降、混乱と疲弊が激化している。学長・学部長を大学構成員皆が支持する真のリーダーとして選出することが、今こそ必要。

 中央教育審議会は「審議まとめ」を撤回し、健全な大学運営がなされるような支援方策を打ち出すべき。
 大学自治の根幹といえる教授会の位置づけの変更をめぐる学校教育法改正の動きは重大。法案が提出された場合には、憲法で保障する学問の自由との関係の観点から、国会における徹底した審議が必要。
 全大教は、学校教育法改正を含む「ガバナンス改革」に反対する。学ぶ権利と多様な学問を守り保障するために、危機感を共有しこれらを守る運動をともに行っていくことを。ひろく大学人、市民に呼びかける。


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