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2014年04月19日

神戸夙川学院大、15年度から募集停止 定員割れ続き

朝日新聞(2014年4月18日)

 学校法人夙川学院(兵庫県西宮市)は18日、神戸夙川学院大(神戸市中央区)の2015年度以降の募集を停止すると発表した。観光文化学部のみの単科大学として07年4月、ポートアイランドに開学したが、12年度以降、定員割れが続いていた。

 同法人は、少子化などで今後も経営的に必要な現在の入学定員(270人)を確保する見通しが立たないと判断したと説明。17日に文部科学省に報告した。

 同法人はほかに短大、幼稚園、中学、高校を運営。11年には、金融先物取引の失敗による多額の損失を埋めるため、同窓会の預金を無断で教職員給与に流用していたことが明らかになった。

神戸夙川学院大が募集停止 背景に財テク失敗や不祥事

産経新聞(2014.4.18)

 学生の定員割れが続いていた神戸夙川学院大(神戸市中央区)について、運営する学校法人夙川学院(西宮市)は18日、平成27年度から新入生の募集を停止すると発表した。

 神戸夙川学院大は19年に開学した観光文化学部のみの単科大学。24年度から定員割れし、現在は約760人が在籍している。

 同法人は、デリバティブ(金融派生商品)取引で資産運用をしていたが、リーマン・ショックなどで多額の損失が発生。23年には傘下の高校で管理する同窓会名義の定期預金を教職員の給与などに無断流用していたことが発覚。短大の教職員らの給与など約7億円の未払い問題などもあった。

 イメージダウンに加え、少子化による他大学との競争激化などから受験者離れが進み、今年4月の新入生は定員(270人)の6割に満たない157人にとどまった。同法人は「在学生に対し、責任をもって現行のカリキュラムによる教育を維持する」としている。

神戸夙川大 資産運用失敗後に経営問題次々

神戸新聞(2014/4/18)

 開学からわずか7年で、新入生募集停止を決めた神戸夙川学院大学(神戸市中央区)。運営する学校法人夙川学院(西宮市)が資産運用の失敗で多額の損失を出し、経営問題が次々に表面化。少子化の中で激化する他大学との学生の奪い合いにマイナスイメージも重くのしかかり、入学者数の減少に歯止めがかからなかった。

 学校法人夙川学院によると、西宮市で中学や高校なども運営する同法人は資産運用の一環で、デリバティブ(金融派生商品)取引を行っていた。だが、08年のリーマン・ショックなどで多額の損失を出した。

 損失額について同法人は明らかにしていないが、資金繰りが急速に悪化し、11年には同窓会名義の預金から約1億6千万円の無断流用が発覚。短大の教職員らの給与や賞与など約7億円の未払いや、教職員の互助団体の積立金を高校の部活動の遠征費に無断で流用していた問題などが次々と明るみに出た。

 法人は経営陣を刷新し、職員の給与カットや、中高のグラウンドの一部など所有する土地を売却するなどの対策に踏み切った。しかし、増谷昇・法人事務局長が「経営トラブルによるイメージダウンの影響は大きかった」と語るように、大学と短大、中・高の12年度の入学者は全体で前年度より3割以上減った。

 13年に西宮市から神戸・ポートアイランドに移転した短大の入学者数はやや復調傾向にあるが、大学の入学者は11年度の265人から毎年減少。今年4月の新入生は定員の6割に満たない157人まで落ち込んだ。

 大学には観光文化学部しかなく、「開学当初は観光分野に特化して学べる大学は珍しかった。近年は他大学でも学べるようになり、競争が激しくなってきた」と増谷事務局長。15年度の学生募集も模索していたが、「今後も入学者が減り続けた場合、法人がそれをカバーする体力がないと判断した」と声を落とした。(紺野大樹)

神戸夙川大が新入生募集停止 財政悪化、定員割れ

神戸新聞(2014/4/18)

 神戸・ポートアイランドにある神戸夙川学院大学が、2015年度から新入生の募集を停止することが17日、同大を運営する学校法人夙川学院(西宮市)などへの取材で分かった。資産運用の失敗や定員割れが続いていることが理由で、数年以内に募集を再開できなければ閉校することになる。在校生が卒業するまでは存続する。

 同法人は大学と同じポートアイランドで短大、西宮市で中学、高校、幼稚園を運営。資産運用で「デリバティブ(金融派生商品)」取引を行ったが、08年のリーマン・ショックの影響で多額の損失を出したという。

 神戸夙川学院大は07年に開学。観光文化学部だけの単科大で、今月入学した1年生を含む約760人が在籍している。少子化や他校との競争激化のため、12年度から入学定員270人を3年連続で大幅に割り込んでいた。

 同大をめぐっては先月、日本高等教育評価機構が「財政が危機的状況にある」と判断。運営体制の立て直しを進めてきたが、財政計画は「実効性に乏しい」と指摘されていた。

 同法人は17日、文部科学省に経緯を報告し、学生への説明も行った。同大の松井道男学長は神戸新聞社の取材に対し、「在校生や保護者、卒業生のみなさんには申し訳なく、深くおわびしたい。教育内容を維持し、在校生には責任を持って対応する」とした。

 兵庫県内では、尼崎市の聖トマス大学が10年度以降、新入生募集を停止している。(紺野大樹)


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