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2014年04月22日

「大学の自治を根本から否定する学校教育法改正・国立大学法人法改正に反対する緊急アピール」

京滋私大教連
 ∟●大学の自治を根本から否定する学校教育法改正・国立大学法人法改正に反対する緊急アピール

大学の自治を根本から否定する
学校教育法改正・国立大学法人法改正に反対する緊急アピール


 日本の大学は、国公私立を問わず、いま重大な危機にさらされています。
 今国会に提出されようとしている学校教育法と国立大学法人法の改正案は、大学の自治の制度的保障の基礎であった教授会の議決権を否定し、大学学長(総長)に対し単に意見を申し述べるだけの機関に変えようとし、さらには学長(総長)の選出権そのものも大学から奪おうとしています。

 日本国憲法は、第 23 条で、「学問の自由はこれを保障する」と述べ、最高裁判所大法廷判決は、「大学における学問の自由を保障するために大学の自治が認められている。この自治は、とくに大学の教授その他の研究者の人事に関して認められ、大学の学長、教授その他の研究者が大学の自主的判断に基づいて選任される」と判示しています。今回の学校教育法改正は、この日本国憲法条項に対する明白な挑戦であり、決して認めることはできません。

 安倍内閣は、特定秘密保護法の導入、集団的自衛権に関する解釈改憲の動き等、に引き続き、さらにこの「学問の自由=大学自治」の制度的廃止によって、憲法に保障された基本的人権の更なる制限に乗り出しています。
 また経済同友会などの財界団体は、大学を利潤追求を目的とする株式会社と同じ原理の組織に変え、大学を自らの研究開発目的へのたんなる従属機関とさせようとしています。

 この目的のために現在行われている「学長のリーダーシップ」キャンペーンは、大学におけるリーダーシップの内実とは全く関係がなく、上記のように規定を変えられた大学学長(総長)を道具として使い大学を外から統制しようとしている計画に他なりません。
 言うまでもなく、大学は、それぞれの学問分野において、真実を解明することを通じて広く社会一般に貢献することがその役割であり、その目的のために最適のガバナンスとして自治を要求するのです。

 私たち、4.20 シンポジウム「いま、大学の自治を問う―京都大学における総長選挙廃止の動きと大学“改革”」に集った参加者一同は、京都大学と日本全国の国公私立大学における自治が民主的な日本社会の不可欠の構成要素であることを改めて自覚し、大学の自治を根本から否定する今回の学校教育法・国立大学法人法の改正案に強く反対し、これを決議いたします。

2014 年 4 月 20 日
4.20「いま、大学の自治を問う」シンポジウム参加者一同

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