研究者の地位と権利を守るための全国的ネットワークをつくろう!

2014年05月01日

日本の大学 失われたものは

産経(2014.4.30)

 STAP(スタップ)細胞騒動が起きる少し前、ノーベル賞を受賞した高名な先生と雑談する機会がありました。

 先生曰(いわ)く、「日本の科学者はかつてない厳しい状況下に置かれている」。「そんなことないでしょう。文系に比べてよほど恵まれているじゃないですか」と混ぜ返すと、「成果主義の悪い面が出過ぎている」と、厳しい口調で断言されました。

 国立大学や公的研究機関では、予算が年々減らされ、重点配分されるのは、企業やメディアが飛びつきそうな派手な研究ばかり。業績評価も論文数といった外形的なものに頼りすぎで、自由かつじっくりと基礎研究に没頭できる環境が日本の大学から失われつつある、といいます。山中伸弥京大教授までもが、14年前の論文の不備を謝罪する事態になりましたが、問題の根は深そうです。(編集長 乾正人)


|