2014年05月09日
法科大学院、定員割れ91%の61校 弁護士就職難背景に
今春学生を募集した法科大学院67校のうち定員割れは91%の61校に上り、2年連続で9割を超えたことが文部科学省の調べで分かった。司法試験合格率の低迷や弁護士の就職難が背景にあるとみられる。同省によると、67校の入学者は定員(3809人)に対し2272人で、初めて6割を割り込んだ。入学者10人未満は28校あり、うち10校は3人以下だった。10校のうち新潟大、鹿児島大など5校は来年度の募集を停止する。定員以上の入学者を受け入れたのは筑波大、千葉大、一橋大、京都大、大阪大、首都大学東京の6校。この6校のうち筑波大を除く5校は、昨年の平均合格率(25.8%)を大きく上回っている。
67校への入学志願者総数は1万1450人。過去最低だった昨年度より2474人減った。法科大学院は当初74校あったが、16校が募集を停止。定員は2007年度のピーク時(5825人)の6割近くまで減ったが、文科省はさらに削減が必要として、15年度から見直しを強化。司法試験合格率▽社会人入学者の割合▽地域配置??などの指標を基に点数化し、5段階に分けて補助金の額に差をつけると同時に、他校と連合すれば加算するなどの制度を導入し、統廃合を促す方針だ。【三木陽介】
◇2014年度入学者が3人以下だった法科大学院
入学者数 定員 13年の司法試験合格率(%)
※新潟大 1 20 18.9
※東海大 1 30 0
神奈川大 2 25 14.0
愛知学院大2 20 7.7
※久留米大2 15 4.8
香川大 3 20 18.5
※島根大 3 20 16.7
北海学園大3 25 10.7
静岡大 3 20 3.4
※鹿児島大3 15 2.9
(文部科学省調べ。※は来年度募集停止)
[同ニュース]
■法科大学院の定員充足率、初めて6割下回る
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140508-OYT1T50100.html
■定員割れ2年連続9割超、法科大学院離れ鮮明に 文科省集計
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140508/trl14050811380001-n1.htm