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2014年05月09日

日本私大教連、声明「教授会を諮問機関化し学長専断体制の確立をねらう学校教育法改正法案を廃案とするよう求めます」

東京私大教連
 ∟●〈声明〉教授会を諮問機関化し学長専断体制の確立をねらう学校教育法改正法案を廃案とするよう求めます

〈声明〉教授会を諮問機関化し学長専断体制の確立をねらう学校教育法改正法案を廃案とするよう求めます

2014年5月7日
日本私大教連中央執行委員会


1 安倍内閣は 4月 25 日、「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出しました。法案は、現行学校教育法 93 条の「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない」という規定を破棄し、教授会を「学長が決定するに当たり」「意見を述べる」だけの機関に変質させるものです。しかも、「意見を述べる事項」を「学生の入学、卒業及び課程の修了」と「学位の授与」に限定し、その他については「教育研究に関する重要事項で、学長が教授会の意見を聴く必要があると認めるもの」として学長の裁量に一切を委ね、大学の教育・研究活動における教授会の役割を根底から覆そうとしています。法案はまた、現行法が「学長の職務を助ける」と定める副学長についても「学長を助け、命を受けて校務をつかさどる」(第 92条 4項)として学長権限を強化しようとしています。

2 教授会は、憲法第 23 条が定める「学問の自由」を保障する「大学の自治」の根幹を担う機関として、教育課程の編成、予算、採用・昇任等の教員人事、学部長の選考、学生の身分等の教育・研究に関する重要な事項について実質的な審議・決定権を有してきました。これに対し法案は、教授会を諮問機関とし、教育・研究活動における主体的な参加の権限と責任を奪うことによって、学長による上意下達の強権的な大学運営を確立しようとするものです。それは教員集団の専門性と民主性を尊重し、真理の探究と社会の発展に寄与すべき大学の本来的なあり方を否定するものです。 教授会の諮問機関化や学長・学部長選挙の廃止を強硬に主張してきたのは、経済同友会をはじめとする財界です。今回の学校教育法改正法案は、こうした財界の意向に追随してコーポレート・ガバナンス(企業統治)の手法を大学に持ち込み、教職員不在、学生不在、国民不在の「大学改革」を学長のトップダウンによって「迅速に」実行させるものにほかなりません。

3 私立大学・国立大学・公立大学の学長・総長経験者など 11氏が 4月 7日に「大学の自治を否定する学校教育法改正に反対する緊急アピール・賛同署名」を呼びかけました。このアピールには、大学関係者をはじめ多くの市民から続々と賛同の署名が寄せられています。 私たちは、政府が、こうした大学関係者・市民の声に耳を傾け、国会において徹底した審議を行い、「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」を廃案とするよう強く求めるものです。

以上


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