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2014年05月22日

学生支援機構、奨学金返済の訴え取り下げ 札幌の女性、猶予手続き

北海道新聞(2014/05/21 06:00)

 日本学生支援機構(旧日本育英会、横浜市)は、奨学金の返済が滞った札幌市の20代女性に返済を求め、札幌地裁に訴訟を起こしたが、20日の口頭弁論で訴えを取り下げた。女性が訴訟を機に、経済的困窮を理由とした返済猶予制度の手続きを行い、認められたため。女性は代理人を通じて「(訴える前に)機構は、滞納の理由を聞いたり、返済方法の話し合いに応じたりしてほしかった」とコメントした。

 訴状などによると、機構は2003年7月から07年3月にかけ、この女性に月額5万3千円を貸与した。女性は07年10月に返済を開始したが、12年10月から滞納したため、機構は返済期限がきていない分も含めた貸与残額約170万円を一括返済するよう、札幌簡裁に督促を申し立てた。今年2月に通常の訴訟に移行した。

 女性の代理人である北海道奨学金問題対策弁護団によると、機構には奨学生が災害や傷病で経済的に困窮した場合などに、過去にさかのぼって返済を猶予する規定がある。この女性は一度、出産退職などによる経済困難を理由に返済を猶予された後、その更新手続きをしなかったところ、機構から返済の確認などがないまま訴えられた。その後、女性があらためて返済猶予を申請したところ、12年10月から今年9月までの貸与額の返済猶予が認められたという。


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