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2014年06月01日

学校教育法「改正」に反対する立命館教職員有志声明

■立命館大学教職員組合ニュース,No.26(2014年5月28日)

学校教育法「改正」に反対する立命館教職員有志声明
―反対署名へのご協力をお願いします―

 本年4月25日、大学学長のリーダーシップを強化するための学校教育法「改正」案が閣議決定され、今国会に提出されました。報道によれば、その内容は、学部長やその他の教員人事を含む大学の重要事項の決定権限が学長にあることを明記する一方で、現在「重要な事項を審議する」(学校教育法93条1項)ものとされている学部教授会は、「学生の入学、募集、卒業、修了、学位授与」について、その他大学学長が必要と認めた場合に「学長に意見を述べる」だけの学長の諮問機関とすることを規定しています。予算を含む大学経営には教授会の意向はほとんど反映されない内容になっています。

 既に「学校教育法改正に反対するアピール署名をすすめる会」をはじめとするいくつかの団体が反対声明で表明しているとおり、この「改正」案は、日本国憲法23条にいう「学問の自由」を制度的に保障する大学自治の根幹としての教授会自治を破壊するものです。大学は、「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」(学校教育法83条1項)とされますが、まさにこの目的のために、大学は、国家権力や社会の諸勢力の圧力に抗して自律的に運営されなければなりません。この「改正」案が通れば、日本の学問研究の水準は後退を余儀なくされます。しかし、影響はそれだけにとどまりません。

 私たちが働く立命館大学は、「平和と民主主義」を教学理念として掲げ、教授会自治を中核としつつ、そこに学生や職員の参加の要素をも取り入れた「全構成員自治」による大学運営を発展させてきました。今日、立命館大学は、他に先駆けて様々な教育改革を成し遂げてきたことで知られますが、それは、教育の現場における諸課題を全学課題として明確に位置づけ、大学の全構成員を巻き込んだ旺盛な議論を積み重ねることによって初めて可能となったのです。つまり、立命館大学の改革は「全構成員自治」を基盤として初めて可能であったのです。しかし、近年、立命館大学の経営者は、「全構成員自治」の諸原則を踏みにじってトップダウン的に「改革」を断行してきました。その結果、立命館大学の教育改革は停滞を余儀なくされただけでなく、財政の健全性さえ危ぶまれています。

 私たち立命館大学の教職員にとって、教授会自治を根幹とする大学の自治は、教育改革を前進させるためにこそ必要なのです。ところが、今回の学校教育法「改正」案は、立命館大学における近年のトップダウン的「改革」にお墨付きを与えることになります。

 私たちは、「全構成員自治」を維持・発展させる立場から、今回の学校教育法「改正」案に断固反対し、「学校教育法改正に反対するアピール署名をすすめる会」による署名活動に全面的に協力します。

 事態は切迫しています。まだ署名をお済みでない方は、「学校教育法改正に反対するアピール署名をすすめる会」のサイト(http://hp47.webnode.jp/)にて早急に署名していただくよう切にお願いする次第です。


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