研究者の地位と権利を守るための全国的ネットワークをつくろう!

2014年06月05日

「論文盗用され自殺」と賠償提訴 教授の遺族、滋賀大などを

日経新聞(2014/6/4)

 滋賀大教育学部の元教授=諭旨解雇=に研究論文を盗用されたことが原因で自殺に追い込まれたとして、教育学部の女性教授の遺族が、元教授と大学に計約1億円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こしたことが4日、分かった。提訴は4月24日付。

 訴状によると、元教授は2009年ごろ、女性教授が出した論文を無断で複製して別の論文を発表。滋賀大の調査に「女性教授の同意があった」と虚偽の説明をした。女性教授は不正への対応に追われ、自律神経失調症を発症し、12年9月に自殺した。

 滋賀大は、女性教授の申し立てを受けて11年7月に調査委員会を設置。12年2月に改ざんや盗用があったとする調査結果を発表したが、遺族側は「元教授の不正行為で心理的負荷が発生していると知りながら、適切な対応を取らなかった」と主張している。

 滋賀大は「弁護士と対応を協議中」、元教授の代理人弁護士は「詳細は今後検討する」とコメントした。〔共同〕

滋賀大:論文盗用され自殺と大学など提訴 女性教授の遺族

毎日新聞(2014年06月04日)

 滋賀大教育学部の男性元教授=諭旨解雇=に研究論文を盗用され、大学の対応も不十分だったために自殺に追い込まれたとして、教育学部の女性教授(当時51歳)の遺族が元教授と大学に計約1億円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こしたことが分かった。提訴は4月24日付。

 訴状によると、元教授は2009年2月、女性教授が発表した論文を無断で複製して別の論文として公表。女性教授の申し立てを受け、大学側が調査委員会を設置した。当初、元教授は調査委に「女性教授の同意があった」と主張し、大学側も「元教授がうそをつくはずがない」などとしていた。最終的に大学は12年2月、元教授の盗用を認定する調査結果を発表し、同年5月に元教授を諭旨解雇処分にした。

 女性教授は長期にわたる心理的負担から自律神経失調症を発症し、同年9月に自殺した。自殺前の約1年半は問題の対応に追われ、1日の睡眠時間が3時間前後だったという。遺族側は「心理的負荷がかかる出来事が複数発生しているのに対応が取られず、心理的疲弊に追い込まれた」と訴えている。

 滋賀大広報室は「弁護士と対応を協議中」、元教授の代理人は「対応は今後検討する」としている。【村田拓也】

[同ニュース]
■女性教授自殺で提訴「論文盗用され対応不十分」
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140604-OYT1T50097.html
■「論文盗用で自殺」滋賀大と元教授提訴 共同研究者の遺族
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140604000076

|