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2014年07月05日

岐阜大学職員組合、学校教育法及び国立大学法人法の「改正」への抗議

岐阜大学職員組合
 ∟●学校教育法及び国立大学法人法の「改正」への抗議

岐阜大学職員組合中央執行委員声明
学校教育法及び国立大学法人法の「改正」への抗議


 先日閉会した第 186 回国会において、「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律」が、大学関係者によるさまざまな反対の意思表明を押し切って可決された。「改正」のポイントは、教授会の権限から、教員の採用と昇進および学部長選考などの人事に関わる一切を奪い、さらには教育課程編成や学部予算に関する権限も剥奪して、教授会を学長の諮問機関化することにある。また学長選考について選考基準が公表されることとなったが、このことは、経営協議会の学外委員比率が過半数とされたこととも相俟って、今後は大学構成員の要望とかけ離れた学長が選ばれるのではないかという危惧を抱かせる事態である。
 こうした学長へ権限を集中し大学運営をトップダウン型に変えていく改革は、国立大学法人化以来すでに十数年の歴史を持っている。この間に明らかになったことは、学長権限強化とは各大学の自立性ではなく文部科学省の影響力を強めるものであること、教育現場を担う教員たちの「同意」を伴わない改革は決して教育の質を高めることにつながらないことなどであろう。

 法案の成立を受け、今後の焦点は、新学校教育法第 93 条第 2 項第 3 号にある「教授会の意見を聴くことが必要なものとして学長が定めるもの」とは何かを具体化していく作業に移る。今後、文部科学省は有識者会議での議論を参照しつつ、学長が教授会の意見を聴くことが望ましい具体例を、同法の施行通知に提示することになっている。
 わたしたち岐阜大学職員組合は、極めて拙速に進められた今回の法改正に強く抗議するとともに、今後の法律の施行過程において、文部科学省が今度こそ広範な大学関係者の意見を取り入れ、教授会への意見聴取事項の中に、教育課程の編成、教員の研究教育業績審査、学部長選考などこれまで教授会が担ってきた役割が明記されることを求める。
 また他方で、新学校教育法のもとで従来通りの大学自治に基づいた大学運営がなされるためには、すべての大学構成員の取り組みが決定的に重要となる。まず各大学の学長には、大学運営にあたってこれまで以上に構成員の声に真摯に耳を傾けることを強く求める。それと同時に、各大学の教員や職員、さらには学生にも、それぞれの持ち場において働きやすく学びやすい環境作りの担い手として行動するよう訴えたい。

2014年7月2日 岐阜大学職員組合中央執行委員会

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