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2014年07月09日

京滋私大教連、憲法違反の集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定に断固抗議する緊急声明

京滋私大教連
 ∟●憲法違反の集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定に断固抗議する緊急声明

憲法違反の集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定に断固抗議する緊急声明

2014 年 7 月 4 日
京滋私大教連執行委員会


 7月1日、安倍内閣は戦後 60 数年続いてきた「海外での武力行使をしない」という憲法9条の解釈を変更し、憲法違反の集団的自衛権の行使容認に関する「閣議決定」を行ないました。この間、首相官邸前では連日のように抗議行動が行なわれ、30 都道府県157の自治体(京都府では向日市、長岡京市、宇治市、大山崎町)で、集団的自衛権の行使容認の「閣議決定」に反対する決議や意見書が採択されているにもかかわらず、これらの声に一切耳を傾けることなく、安倍内閣が「閣議決定」を強行したことに強く抗議するものです。

 安倍首相は「国民の命と暮らしを守る」ために、従来の憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認に関する「閣議決定」を行なう必要性を強調しています。しかし、「閣議決定」に向けた与党協議は完全非公開で行なわれ、国家を縛る憲法解釈の議論をしているにもかかわらず、国民を排除して密室での協議に終始してきました。こうした対応そのものが、「憲法とは権力を縛るもの」という原則を根幹から否定する極めて重大な行為です。

 安倍内閣が、歴代政権の下で積み重ねられてきた憲法解釈を一片の「閣議決定」で変更すること自体きわめて重大な問題ですが、このような手法をとらざるをえないことは、安倍首相の自信のなさを表しているとも言えます。自ら考えていた憲法 9 条の明文改憲も、改憲手続きの緩和も多くの国民の反対の声に圧されて頓挫したため、憲法解釈の変更によって戦争行為に踏み出す集団的自衛権の行使容認に関する「閣議決定」を行なう安倍内閣には、「国民の命と暮らしを守る」ために政権を担当する資格すらないと言わざるをえません。

 今回の「閣議決定」に対して、学生たちの間にも自らが戦場へ赴く対象となりうることへの不安や動揺が広がっています。大学は、過去の痛苦の反省の上に立って「二度と学生を戦地に送り出さない」という反戦・平和の誓いの下、平和と民主主義に立脚した日本社会の発展に寄与してきましたが、それ故に学生を再び戦地へ送り出すような事態を招くことにつながる道は絶対に阻止しなければなりません。

 私たちは、憲法第 9 条において「1.国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」「2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と定めた平和主義を積極的に世界へ押し広げていくことが、「国民の命と暮らしを守る」ための最善の策であると考えます。私たちは、今後、日本政府による集団的自衛権を行使させないために、多くの国民・労働者と共同して、憲法の平和主義を推し進めていく決意です。

以上

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