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2014年08月02日

東大論文不正、元教授がノートねつ造指示

NHK(8月1日)

東京大学の元教授のグループが発表したホルモンの働きに関する論文など43本に画像の切り貼りなどの不正が見つかった問題で大学の調査委員会は、1日、元教授が、不正が発覚しないよう実験ノートのねつ造を指示していたなどとする調査結果を公表しました。

この問題は東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループが発表した骨が出来る仕組みやホルモンの働きについての論文など43本に画像の切り貼りなどの不正が見つかったものです。
大学の調査委員会は1日、記者会見し、これまでに調査が終わった5本の論文について加藤元教授と当時の助教授ら合わせて4人が不正に関わっていたとする調査結果を公表しました。
このうち加藤元教授についてはねつ造や改ざんを直接行った事実は確認できなかったものの、研究員に対し、よい実験結果を出すよう強く求め、高圧的な態度で日常的に不適切な指導を行ったことが不正につながったと認定しました。
さらに論文を掲載した科学雑誌から不正の疑いを指摘された際に不正が発覚しないよう研究員らに画像のデータや実験ノートのねつ造などを指示していたとしています。
また残りの3人についても、論文の画像などのねつ造や改ざんをみずから行ったなどと認定しました。
加藤元教授は国から30億円の研究費を受けるなど日本を代表する分子生物学者の一人で、大学では、残りの38本の論文についても不正への関与を調べたうえ関係者を処分する方針です。

元教授がコメント
調査委員会の結果について加藤茂明元教授は、研究員らに実験ノートのねつ造などを指示したとされた点については、「私の不適切な判断がありましたことをおわび申し上げます」とする謝罪のコメントを出しました。
その一方で加藤元教授の不適切な指導が不正につながったとされたことについては、「事実を曲げて私の名誉を毀損しかねないもので、到底承服できない」と反論しています。

[同ニュース]
■東大研究論文不正「4人が関与」と認定 調査チーム
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000031818.html
■東大論文不正問題、4人の不正関与を認定 「懲戒事由に相当する可能性」も
http://www.j-cast.com/2014/08/01212116.html?p=all
■東大論文捏造(ねつぞう)問題調査結果 元教授ら4人が不正に関与
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00273734.html
■研究論文で不正、東大が4人の関与を認定
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140801-OYT1T50094.html
■東大論文不正:元教授強圧的指導 調査委「懲戒処分相当」
http://mainichi.jp/select/news/20140801k0000e040207000c.html

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