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2014年10月28日

聖トマス大、来年3月に廃校にされようとしています

■英知大学・聖トマス大学同窓会
 ∟●来年3月 地域の大学が廃校にされようとしています

もう今しかないぞ 聖トマス大!!

来年3月 地域の大学が廃校にされようとしています

 「日本の教育界に"黒船"来襲 世界最大の私立大学グループが日本で新たな学部を新設する/少子化と過当競争に悩む既存の国内私立大学に新風を吹き込むか」
 この見出しは『日経ビジネス』2011年6月20日号に躍ったものです。記事は聖トマス大の経営を引き継ぎ日本上陸したローリエット社を好意的に紹介する内容でした。我々1万人の同窓生はこれを見て心より喜びました。
 英知大学が聖トマス大学に学名変更して2年後、2009年に学生募集停止を発表したショックに見舞われていたさなかに登場したリン新理事長は「経営はグローバルだが文化はローカルをスタンスに」「大学に対する経営支援がローリエイトの大きな役割になる」「日本の学生や社会のために最善を尽くす」と声高らかに宣言しました。
 募集停止後すぐさまシンポジウム「ほっとけん! 地域の大学・聖トマス大」を開いて励ましてくださった市長はじめ地域の方々にもご恩返しできると胸膨らみました。
 それが2014年4月2日には今後、新学部の申請は行わない、大学の廃止を検討するとの発表です!
 この4年ほどの間にローリエットは一体何をしたのか?
 失敗に失敗を重ね、文科省や教職員の意見にも耳を貸さず自己流を押し通してここまで来ました。その結果がたびかさなる不明瞭な校庭の切り売りと、挙句の果ての撤退です。ローリエットは最初に7億円を出資したといわれていますが、計1万6千㎡の校庭を格安で売り払い得た額は3倍の21億円以上であることが分かりました。
 この間、同窓会に事前の話し合いがあったのは良いことづくめの最初の時だけで、雲行きが怪しくなってくると、その口は貝のように閉ざされ、おまけに箝口令まで敷く始末。地域住民の方々にもまともな説明をすることなくここまで来ました。戦時中お国のためと軍隊に土地を提供された地元の方々は、その跡地の校庭に住宅が立ち並ぶ光景をどのような思いで見ておられるのか。ただ裏切られたというお気持ちしかないと思われます。同窓会役員にも彼らは「リップサービスのお化け」にしか映りません。
 公益のために教育を行うべき日本の私立大学は税金を免除され補助金をもらい、法的にも保護されています。教育関連法は今年もまた改定され理事会・学長の権限が強化されました。アメリカの投資会社ローリエットは、この公益追求者への保護制度の上にあぐらをかいて勝手放題をしてきました。
 大学理事会は今後の方針は何も決まっていないと言いながら、10月末に教職員をほとんど退職させ、誰もいなくなった状態で売れるものを売り払い、来年3月に大学を廃校させようとしています。これを許しては日本の大学・学生数の7割以上を占める私立大は「ハゲタカ」と恐れられてきた海外ファンドに次々狙われ、日本の教育資産が各地で食いつぶされてゆく先例になりかねません。
 ただただ手をこまねいているだけで良いのでしょうか!?
 すでに尼崎市議会でも本学の行方が議論され、副市長からも懸念が表明されました。同窓会、(元)教職員、地域住民、尼崎市、ひいては日本の文科省も日本丸のプライドをかけてでも勝手は許さないという態度を表明する時はもう今しかありません!!
 このような状況のもと、11月3日の同窓会総会では、第2部として公開フォーラム「もう今しかないぞ 聖トマス大!!」を開催することにいたしました。出席する大学当局者に説明を求め、今起こっていることを地域住民、全国の大学・マスコミ関係者の方々に知っていただき、公教育の一環を担う大学にふさわしい「まっとうな」解決策を導くべく話し合いたいと思います。
 皆さまのご来校を、こころよりお願い申し上げます。

サピエンチア会(英知大学・聖トマス大学同窓会)
会長  藤本 滝三

日時:11月3日(祝・月曜) 昼12時頃~14時
場所:聖トマス大学 学生会館2階
*参加自由・無料  *駐車場なし 駐輪場あり
*閉会後の懇親会(軽食つき)にもご参加ください

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