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2014年10月04日

「天使大学理事会は中労委命令を速やかに履行せよ!」、中央労働委員会命令に関する組合声明

■北海道私大教連書記局ニュース、Vol.19より
 ∟●「天使学園不当労働行為事件」中央労働委員会命令に関する組合声明
 ∟●(中労委)天使学園不当労働行為再審査事件(平成25年(不再)第52号)命令書交付について

「天使学園不当労働行為事件」中央労働委員会命令に関する組合声明

 「天使学園不当労働行為事件」(初審道労委平成23年道委(不)第31号事件)は、法人側が救済命令を不服として2013年8月7日に再審申立てを行いましたが、2014年9月19日に中央労働委員会は、再審査申立てを棄却しました。(中労委平成25年(不再)第52号)

1.本件の経過
 天使大学教職員組合(以下、組合)は、2011年12月末、北海道労働委員会(以下、道労委)に救済を申立て、「天使学園不当労働行為事件」として1年7?月余の審査を経て、2013年7月24日に救済命令が出されるに至りました。初審では、①ハラスメント事案に関わる配置転換等の労働環境調整の団交拒否 ②就業規則に関わる懲戒委員会規程及びハラスメント規程改定に関する団交拒否について救済を認め、法人に対してポストノーティスによる謝罪を命じました。
 初審の結果は、組合にとっても上記以外の争点では一部不満の残るものではありましたが、本命令を甘受し、学内状況や労使関係を改善すべく対応を協議していたところ、法人は命令を不服として「中央労働委員会への再審査申立て」を行いました。再審査申立て中であっても、命令の履行を免れるものではありませんが、法人は命令の真意をくみ取ることなく命令を履行することはありませんでした。

2.再審査申立ての経過
 再審査では2度の調査が中央労働委員会(東京)で行われ、法人は初審命令内容には事実誤認があり、団交には誠実に応じてきたと主張し、団交に不慣れな面もあり不当労働行為と断罪するほどの悪質性はないとして、ポストノーティスも不当であると述べました。しかしその後、法人は自らの主張を裏付ける具体的な事実誤認の証拠を提出することはありませんでした。また、中央労働委員会の和解提案においては、組合側が初審命令のハラスメント及び懲戒の規程を前規程に戻し検討することが絶対条件としながらも、謝罪方法はポストノーティスに拘らない和解案を提示しましたが、法人は何一つ譲る姿勢を示さず和解は成立しませんでした。
 また、初審命令後に3回団交が行われましたが、ハラスメントや懲戒問題規程については団交事項であることを認めつつも、「これまでも誠実に対応している」と繰り返し2年前と全く同じ主張を述べるのみでした。

3.中労委の命令
 中労委の命令は、ハラスメント問題にかかわる労働環境調整やハラスメント及び懲戒規程は義務的団交事項であるにもかかわらず、法人の対応は実質的に団交拒否であり、誠実に対応したとはいえないとして、その不当労働行為性を認めました。
 また、ポストノーティスについては、法人は公用掲示板への掲示は多くの人の目に触れるため、法人の信用が著しく毀損されるとし掲示は不要と主張しました。
 しかし、命令では、義務的団交事項でも法人は実質団交を拒否した行為は「憲法28条労働者の団結権等」を著しく軽視した態度であり、また救済申立てから2年を経過した団交でも資料を持参しなかったことを理由に実質的議論に臨まない態度を問題とし、「よって本件は、法人と組合の集団的労使関係秩序を回復する必要性の高い事案であり、法人に同種行為の再発を防ぐためにも公用掲示板への文書掲示を命じることは妥当」であるとし、中労委は法人の申立てを棄却しました。

4.不当労働行為を繰り返した理事に対する組合見解
 第1には中央労働委員会の再審査棄却の結果を真摯に受け止め、速やかな命令の履行を求めます。
 この度の道労委の初審から中労委再審査申立てへと理事たちがとった一連の行為は、学校法人の経営責任を負う者の行いとは言いがたく、教職員に不信と威圧を与えるものであります。労働委員会のポストノーティスを大学への信用を毀損するものだと言い張る理事会ですが、自らの行為を顧みることなく、不必要な係争に時間と費用をかけ続けることこそが、大学を私物化し、学生や教職員などのステークホルダーへの裏切り行為といえるのではないでしょうか。
 教育の質を担保する教職員の欠員状態解消より、次々と法人側の労務対策役員を補充してきたことがその証であると言えます。内省することなく自らの考えに固執し、組合敵視対策を取り、恣意的人事を繰り返し、大学運営の独裁化と私物化する現体制は速やかに刷新されなければならず、理事長をはじめとする理事の総退陣が必要といわざるを得ません。

 組合としては、今こそ教職員が一致協力して大学の健全化と事態の改善に取り組む決意であります。また、この3年間に組合に寄せられた同窓生、旧教職員、学生のご父母や他大学教職員、医療関係者、さらには「天使大学の教育を守る会」の皆様のご支援に感謝し、天使大の再生に向けて力を尽くすことを表明いたします。

2014年10月3日

天使大学教職員組合
北海道私立大学教職員組合連合執行委員会

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