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2014年11月27日

全大教、声明「高専機構・文科省不当労働行為事件に対する都労委の不当な命令に抗議します」

全大教
 ∟●声明「高専機構・文科省不当労働行為事件に対する都労委の不当な命令に抗議します」

高専機構・文科省不当労働行為事件に対する都労委の不当な命令に抗議します

2014年11月26日

 2014年11月21日、東京都労働委員会(房村精一会長)は、2012年7月12日に全大教が提起した不当労働行為救済の申立てに対し、申立てを棄却する不当な命令を下しました。
 独立行政法人国立高専機構は、「国家公務員の給与臨時特例」準拠を理由として教職員の平均8.2%も賃下げの給与臨時減額を組合(全大教高専協議会)に提案しておきながら、その経営上の必要性の説明や代償措置の協議を誠実に行うことなく、2012年6月22日、わずか三回目の団体交渉で交渉を打ち切り、2012年7月1日に賃下げを強行した上、その後もこの件に関する団体交渉を拒むという団交拒否の不当労働行為を働きました。
 文部科学省は、国立高専機構、国立大学法人に対し、執拗に賃下げ実施を要請することを通じて国立高専・国立大学の労使関係に介入し、労働組合の活動に支配介入する不当労働行為を働いたほか、この支配介入行為によって国立高専・国立大学労働者の使用者の立場に立っているにもかかわらず、全大教からの団交申し入れを拒否する不当労働行為も働きました。
 こうした事件に対し、今回の命令書に示された都労委の判断は、次のような重大な問題を含むものであり、到底認めることはできません。
(1) 都労委で高専機構が行った主張を鵜呑みにし、交渉を組合の要求通りに誠実に行ったかのように高専機構の行為を善意に解釈することで、高専機構を救済していること。高専機構の説明や資料提供は、内実を伴わない形ばかりのものであったことは準備書面で指摘したとおりである。
(2) 団体交渉における高専機構側の説明について「発言は抽象的であったとみえなくもない」としながら、組合がさらなる追及をしていないことを理由に不問に付すなど、使用者の誠実交渉を審査すべき労働委員会が、組合の交渉姿勢を問題にするという不当な論理を展開していること。
(3) 団体交渉が約1ヶ月にも満たない期間でかつわずか三回しか行われていないにもかかわらず、団体交渉が「行き詰まりの状態に達していた」「法人が、さらに交渉を1か月延長しても、その間に進展する可能性は少ないとみて、団体交渉を打ち切ったことはやむを得なかった」と何の根拠もなく判断していること。さらに、組合からの次回交渉の申し入れに対し、機構が7月実施を受け入れる前提でなければ交渉に応じないと不当な条件を付け、実質的に交渉を拒否したことについては、何ら判断していないこと。
(4) 文科省の支配介入及び団交拒否について、国(文科省)は「法人の給与等支給額の決定について、影響力を有していると認められる」としながら、十分な根拠もなく、組合員の労働条件決定について「現実的かつ具体的に支配決定することができる地位」にないとして、労組法上の使用者にあたらないと判断していること。

 都労委の決定に強く抗議するとともに、今後とも国立高専・国立大学における正常な団体交渉と労使自治の原則の確立を求めて運動していくことを表明します。


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