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2014年12月11日

自民県連、佐野幹事長が大阪成蹊学園理事長に要請文

志賀報知新聞(平成26年12月10日)

嘉田側近「個人の行動への封殺だ」と激怒
衆院選終盤戦に影響大

 自民党滋賀県連の佐野高典幹事長は八日、びわこ成蹊スポーツ大学(学長=嘉田由紀子前知事)を運営する学校法人大阪成蹊学園の石井茂理事長に対し「今回の衆議院選で、3区の小川泰江候補(民主公認)の街頭活動に参加するなど民主党公認候補の支援を活発に展開する嘉田学長に対し、節度ある行動を喚起していただきたい」という異例の抗議ともいえる要請文書を送付した。これに対し、嘉田氏側近は「恫喝(どうかつ)とも受け取れる内容であり、断じて許すわけにいかない」と激高している。選挙戦終盤に大きな影響を与えそうだ。
 文書では「嘉田学長が小川候補の後援会長に就任し、公示後も小川候補の街頭活動や自身の応援ビデオを上映するなど支援を活発にしている」と現状を訴えて、「多額の税が私学振興のために交付されているわけだが、嘉田学長の行為は教育の『政治的中立性』を大きく損なう行為である」と抗議。
 そのうえで「この件については、自民党本部、および日本私立大学協会とも協議を重ねており、しかるべき対応を取らざるを得ない場合も生じるかと存じる。東京オリンピックや滋賀県の二巡目国体を控えて、大きな危惧を抱かざるをえない。嘉田学長に対しては、節度ある行為を喚起していただきたい」と強圧的な内容になっている。
 これについて、佐野自民党県連幹事長は「あくまでお願いをしたものであって、決して恫喝的な内容のものでない。清水克実県連事務局長が党本部の顧問弁護士と十分協議して作成しており、法的な問題は一切ない。いずれにせよ嘉田氏の今回の選挙応援は、公平中立であるべき大学の学長のとるべき姿とはとても考えられない」と反論した。
 要請文をもらった学園側では「女子教育のメッカとして発足した大阪成蹊学園としては嘉田学長の女性の社会参画への意気込みに大きな期待している。嘉田学長の研究者として、あるいは社会人としての個人の行動を制約するだけの権限は学園にはない」との考えを示した。
 また嘉田氏側近は「日本社会の国民的課題である少子化や女性の輝く社会づくりというテーマは、嘉田氏の重要な理念であり、それに基づいて行動している。学長としての地位利用と思われる行動は一切しておらず、今回の手紙は嘉田氏の社会的な行動を政権与党の権限を振りかざして封殺しようとするものである。今夏の知事選挙における政権与党の高圧的な姿勢と全く変わっていない」と憤っていた。


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