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2015年04月21日

低い高等教育の公支出、OECD加盟国で最下位

Viewpoint(2015/4/20)

 統一地方選挙で、多くの政党が教育分野の公約として掲げるのが「教育の予算増」。OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で、日本の公財政教育支出(国や地方自治体等の支出)の対GDP比率が低いことは、かねてから問題とされてきた。各党の政権公約もこれを意識したものだ。

 2011年の統計ではOECD平均5.6%に対して、日本は3.8%。総人口に占める子供の割合が少ないことや、中高等教育で私立学校の比率が欧米より比較的高いなどの理由がある。

 特に、就学前教育と高等教育の割合は加盟国で最下位。高等教育ではOECD平均1.4%に対して、日本は0.8%。公私負担の割合では公財政負担が平均69.2%に対して、日本は34.5%にとどまる。

 もちろん、高齢者福祉、医療、雇用対策などとの兼ね合いで、教育の公的予算を大幅に増やすことは簡単ではない。各国個別の教育事情があり、公財政支出とGDPの比較には意味がないとの指摘もある。

 ただ、地方創生が重要政策となる中、人材育成や地域活性化プロジェクトなど地域で大学が果たす役割に期待が高まるが、その一方で大学生の学力や意欲が低下するのは深刻な問題だ。


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