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2015年05月01日

京都大学一方的賃下げ無効・未払い賃金請求事件、5月7日判決言い渡し

京都大学職員組合
 ∟●5/7(木)14:00- 請求訴訟判決、傍聴に多数ご参...

京都大学一方的賃下げ無効・未払い賃金請求事件

                  
判決言渡

日 時:2015年5月7日(木) 14:00?
場 所:京都地方裁判所 第101号法廷

判決弁論報告会
同日14:30 京都弁護士会館 3階大会議室

傍聴に多数ご参加ください

 国家公務員に横並びでの賃下げによって、京都大学では 2012 年 8 月から2014 年3月まで、常勤教職員のほとんどが一方的な賃下げの対象とされました。教授職で約 70 万円、准教授や一般職掛長クラスで約 30 万円の減収でした。職員組合はこの賃下げに対して、2013年 6 月11 日に高山佳奈子・京都大学職員組合委員長(当時)を原告団長に未払い賃金請求訴訟を京都地裁に提起しました。当初、96 人だった原告団も、その後参加が相次ぎ、115 人に達しました。これまで 10回の口頭弁論が行われ、来たる5月7日に判決言渡の日を迎えます。

 この間の裁判闘争において、賃下げの不当性は明瞭になりました。まず東日本大震災の「復興財源」という国家公務員賃下げの大義名分が破綻していることは、会計検査院の 2013 年の報告書が示す通りです(2012 年度の「復興財源」のうち1 兆 3000 万 円 が 被 災 地 と 直 接 関 係 の な い 予算!)。さらに、わたしたち国立大教職員は国立大の法人化以降、公務員ではなく、民間の労働法制の適用対象となっており、国には賃下げを強制する権限がありません。国の事実上の強制という京大法人の主張はまったく根拠がありません。しかも、京大の収入のうち国の交付金が占める割合は 3 割にすぎず、この間にも京大全体の収入は増加しています。賃下げの財政的な必要性はまったくないのです。実際、団体交渉で、京大法人側は「財源がないから賃金を下げる」という主張を一度もしておりません。それどころか、京大法人は準備書面等において、定期預金が210億円あったとし、証人尋問では財務について供述できる者を証人とすることを拒否して、証人に「財務のことはわかりません」と証言させています。

 国家公務員でない国立大学教職員に適用される労働契約法の第9条では、労使の合意のない労働条件の不利益変更を禁じており、同第10条はその例外の要件として「就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものである」ことを定めています。また、民事訴訟法は、「裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない」(246条)とするとともに、判決「主文が正当であることを示すのに必要な主張を摘示しなければならない」(253条2項)としています。

 これらのことから、口頭弁論、準備書面、書証において、賃下げの合理的な理由を挙証し得なかった京大法人に軍配を上げる理由を見出すことはできず、私たち原告団の勝訴を確信するところです。


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