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2015年05月11日

「専門職大学」創設へ 文科省 技術・経営感覚習得に力

北海道新聞(2015/05/10)

 文部科学省は、実践的な職業教育に特化した「専門職大学」(仮称)の創設に乗り出す。調理師や美容師といった専門技術の習得とともに、経営感覚を身につけた即戦力の育成が狙い。専門学校や短大からの移行を想定。一般の大学と同水準の教育内容とし、文科省が設置基準を定めて認可することで、教育の質を確保する。文科相の諮問機関、中央教育審議会(中教審)が15日に開く特別部会で具体的な議論を開始し、2019年度以降の開校を目指す。

 職業訓練に特化した教育は現在、主に専門学校が担うが、技術習得が中心で経営学などには手が回らない。一方、一般の大学や短大は職業訓練に長い時間を充てられない。このため産業界からは高度な即戦力の育成機関を求める声が強かった。

 政府の教育再生実行会議が昨年7月、「実践的な高等教育機関の新設」を提言。有識者会議が今年3月、専門職大学制度の大枠をまとめた。それによると2~4年制で、高校新卒者や社会人が対象。美容、観光、情報通信技術、福祉などの分野を想定し、技術に加え、経営ノウハウの習得に力を入れる。

 教員の一部は各分野で活躍する人に担ってもらう。修業年限に応じ、大学卒業者に与えられる「学士」や短大卒業者に与えられる「短期大学士」に相当する学位を授与する方向だ。

 文科省は「道内は札幌だけでなく各地に専門学校がある。(専門職大学に移行した専門学校などが)高度な技能を持った人材を地元に輩出できれば、地域活性化にもつながる」と話す。

 ただ、教員の確保や経営面で成り立つかどうかなど課題は多い。中教審は年度内を目標に答申をまとめたい考えだが、曲折も予想される。


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