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2015年05月14日

関西圏大学非常勤講師組合、阪大労基法第90条違反の刑事告訴(告発) 嫌疑不十分で不起訴処分!

関西圏大学非常勤講師組合
 ∟●非常勤の声、第43号(2015年5月10日)

阪大労基法第90条違反の刑事告訴(告発)、
嫌疑不十分で不起訴処分!

 阪大は労働契約法第 18 条の「有期雇用契約が5年を超えて更新される場合に無期雇用への転換申込権が労働者に生じること」を避けるために、2004 年の法人化以来「準委任契約」でパートタイム労働者ではないと詭弁を弄してきた非常勤講師・TA・RA・アルバイトに対しても、契約更新上限 5 年を定めた 2013 年 4 月 1 日付就業規則を適用しました。それに対し、組合は労基法第 90 条に定める「就業規則を作成・変更する際には、事業所の労働者の過半数を代表する者の意見書を付けて管轄の労基署に提出すること」に大学が違反しているとして、2013 年 9 月 25 日付刑事告訴状を大阪地検に提出し、同年 12 月 16 日付で刑事告発として正式受理されました。その後複数回、大阪地検から組合執行委員長で阪大非常勤講師である新屋敷への事情聴取があり、地検への追加文書・データの提出を行いました。

 ところが、今年 3 月 20 日付で大阪地検から不起訴処分が通知されました。その後地検の担当検事から「阪大吹田・豊中・箕面キャンパスでの過半数代表者選出から非常勤講師が排除されていることは認定されたが、大学が非常勤講師の労働者性を否定する論拠を完全には崩せない」ので「嫌疑不十分で不起訴処分になった」との説明を受けました。

 この「嫌疑不十分で不起訴処分」は、早稲田大学が非常勤講師の契約更新5年上限の就業規則を作成したことに対し首都圏大学非常勤講師組合が労基法第 90 条違反で早稲田大を東京地検に刑事告発・告訴した件が「嫌疑なしの不起訴処分」なったことに比べると、同じ不起訴でも「嫌疑不十分」の阪大の方がより悪質性が高いことが認定されたので一定の評価はできます。しかし不起訴処分には納得できません。早稲田大に対し昨年 11 月に東京検察審査会が「不起訴不当」の決定を下したこともあり、大阪検察審査会に審査申し立てをする予定です。


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