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2015年06月08日

自由法曹団、労働者派遣法「改正」案の採決強行に反対し、廃案を要求する声明

自由法曹団
 ∟●労働者派遣法「改正」案の採決強行に反対し、廃案を要求する声明

労働者派遣法「改正」案の採決強行に反対し、廃案を要求する声明

1 自民・公明両党は、現在、維新の党が提案する「労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律」(通称「同一労働同一賃金推進法」)の成立を図ることと引き換えに、維新の党から労働者派遣法「改正」案の採決に応じるとの合意を取り付け、今月中旬にも「改正」案の採決を強行しようとしている。

2 しかし、労働者派遣法「改正」案の審議は、衆議院厚生労働委員会において、5月15日に開始されたばかりである。「改正」案は、「業務単位の1~3年の期間制限をなくし、直接雇用や正社員への道を奪う。」、「施行予定日の1か月前に、『業務単位の派遣受入期間制限違反の場合の労働契約申込みみなし制度』をなくし、多数の派遣労働者の直接雇用へ移行する権利を奪う。」、「個人単位の3年の派遣受入期間制限を導入し、専門26業務に従事する派遣労働者の大量首切りをもたらす。」等の多くの問題点を含んでいる。
 今、何よりも重要なことは、これらの問題点を解明するため、徹底審議を尽くすことである。

3 維新の党は、民主党、生活の党と共同で、既に、5月26日、「同一労働同一賃金推進法案」を国会に提出している。自民・公明両党は、上記「同一労働同一賃金推進法案」を修正の上、維新の党と共同で再提出し、同法の成立を図ることと引き換えに、維新の党に労働者派遣法「改正」案の採決に応じることに同意させようとしているのである。
 「同一労働同一賃金」を実現することは重要であるが、「改正」案の前記問題点は、「同一労働同一賃金推進法」を成立させても何一つ解決しない。そのことは、「改正」案の前記問題点を見るだけで明白である。
 「改正」案の問題点についての審議も不十分なまま、「改正」案の採決を強行することは、国会の審議権をないがしろにし、議会制民主主義を否定する暴挙である。

4 自由法曹団は、自民・公明両党の労働者派遣法「改正」案の採決強行の企てに強く抗議し、反対する。また、維新の党に対して、自民・公明両党の採決強行の企てに同意することなく、「改正」案の徹底審議のために尽力することを要請するものである。
 自由法曹団は、「改正」案の採決強行に反対し、徹底審議を尽くし、「改正」案の問題点を解明し、「改正」案を廃案にすることを強く要求するものである。

2015年6月8日
自 由 法 曹 団
団 長 荒 井 新 二

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