研究者の地位と権利を守るための全国的ネットワークをつくろう!

2015年06月30日

京大職組、定期大会特別決議「日本の真の民主主義実現に向け大学人の役割を果たすために」

京大職組
 ∟●日本の真の民主主義実現に向け大学人の役割を果たすために

日本の真の民主主義実現に向け大学人の役割を果たすために-京大職組第92回定期大会 特別決議

特別決議-日本の真の民主主義実現に向け大学人の役割を果たすために-

 誰もが知るとおり、現在、日本社会は大きな岐路に立っています。国会では、憲法学者がそろって違憲と明言する集団的自衛権行使を容認する安全保障関連法案を、安倍首相が先に米国議会で行なった「この夏までに成就するという約束」を果たすために9月27日までの95日間の会期延長を行なってまで、強引な審議を行ない通そうとしています。国民の信を問うことなく行なわれようとしているこの行為は、約一年半前の政府による一方的な情報管理を定めた特定秘密保護法や約一年前の内閣の閣議決定のみによる集団的自衛権行使に関する解釈改憲と連動して、日本の「法にもとづく社会」という根本秩序を崩壊させるものです。

 そして誰もが知るとおり、現在、京都大学を含む日本の大学もまた大きな岐路に立っています。約一年前に国会で可決された「学校教育法改正」は大学の運営の意思決定を学長の専権事項に変えてしまいました。そして今度は政府による運営費交付金を理由として、文部科学大臣の単なる「要請」により、国立大学の入学式・卒業式における「日の丸」掲揚・「君が代」斉唱を事実上押し付けようとしています。さらには国立大学の人文社会科学系学部・大学院の廃止提言等々、現在の政府は、あらゆる手段を使った大学への圧力により、日本社会に起きうる異論をあらかじめ封じる統制体制を導入しようとしているかのようにさえ受け止められます。こんなことになれば、国境を越え、言葉も越え、普遍的に真実をどこまでも追い求めようとする大学の理想像からなんと大きくかけ離れてしまうことでしょう。

 こうして明らかに、日本社会と日本の大学とは、軌を一にして同時に危機にさらされているのです。

 思えば、約2年前より私たちが闘ってきました「東日本大震災復興支援」を単なる口実とした不当な国立大学法人教職員の賃金引下げに対する裁判闘争や、ほぼ一年半前から行なわれた京都大学における民主的総長選挙存続のための闘争は、今起こってきているより大きな、全社会的な危機に対する闘争の“前哨戦”だったのではないでしょうか?
 危機は私たちの眼前にあります。しかし“前哨戦”を闘ってきた私たちにはそれに立ち向かうエネルギーが蓄積されています。

 私たちは決して屈しません。日本社会そして大学の理想をわがものとして実現する日まで、決して屈せず、日々の課題に全力で身を投じることを誓います。

 以上、決議します。

2015年6月27日 京都大学職員組合 第92回定期大会

|