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2015年07月14日

安保関連法案 自民党役員会、15日に特別委で採決する方針確認

FNN(07/13)

自民党は13日、役員会を開き、衆議院の特別委員会で審議中の安全保障関連法案について、15日に採決する方針を確認した。
自民党の谷垣幹事長は、記者会見で「そろそろ、締め総(締めくくり総括質疑)というような日程を考えていかなければならないことになるであろうと。15日には、そういうようなことも考えなければならないのではないか」と述べ、13日の役員会で、安全保障関連法案について、15日の特別委員会で、締めくくりの総括質疑を行い、採決する方針を確認したことを明らかにした。
政府与党は、翌16日にも本会議で採決し、衆議院通過を図りたい考え。
谷垣氏は、「国会の議論を見ていると、同じ議論が何度も行われている」と指摘し、論点が出尽くしたとの認識を示した。
これに先立ち、衆議院の特別委員会では、法案採決の前提となる中央公聴会が開かれた。
有識者5人が、法案の合憲性や安全保障環境などの観点から意見を表明し、法案に関して、賛成と反対で立場が分かれた。
外交評論家の岡本行夫氏は「この法制は、日本の安全を守るうえで、最も重要な仕組みである日米安保体制を強くするものでもあります」と述べた。
公聴会で、自民党推薦で外交評論家の岡本行夫氏は、国際的な安全保障環境の変化を指摘したうえで、「集団的自衛権の限定的容認は、海外での日本人の人命と財産を保護するケースにあたる」として、政府案に理解を示した。
また、公明党推薦の同志社大学学長・村田晃嗣教授は、「安全保障の専門家からなる学会で意見を問われれば、多くの専門家が肯定的な回答をするだろう。学者は、憲法学者だけではない」と指摘した。
一方、野党推薦の有識者3人は、政府案は違憲であるとの認識を示した。
法政大学の山口二郎教授は「専守防衛を逸脱するものであり、憲法違反である」と述べた。法政大学の山口二郎教授は、政府案が示す、存立危機事態、重要影響事態という事態に関し、「意味が明確に定義されていない。政府は、集団的自衛権の行使について、大きな裁量を手にする。日本が他国の戦争に巻き込まれる危険性が高まる」と述べ、政府案を批判した。
また、東京慈恵会医科大学の小沢隆一教授は、政府案が、集団的自衛権の行使を認めるとする存立危機事態について「歯止めのない集団的自衛権の行使につながりかねない。憲法9条に反する」と指摘した。
さらに、首都大学東京の木村草太准教授も、存立危機事態について「日本への武力攻撃の着手がない中の武力行使を根拠づけるもので、明確に憲法違反だ」と指摘した。


安保法案 与党は15日にも委員会採決目指す構えも民主党は反発

FNN(07/13)

戦後日本の安全保障の大転換となる安保法案。説明不足という声も上がっているが、13日、有識者を呼んでの中央公聴会が行われた。このピースが埋まったことで、安倍首相肝いりの安保法案の採決環境が整いつつある。
13日に開かれた記者会見で、安全保障関連法案に関して、安倍首相に辛辣(しんらつ)な言葉を浴びせた映画監督・宮崎 駿さん。
宮崎監督は「軍事力で中国の膨張を止めようとするのは、不可能だと思う。もっと違う方法を考えなければいけない」、「安倍首相は、自分が憲法の解釈を変えた偉大な男として、歴史に残りたいと思っているでしょうが、愚劣なことだと僕は思っている」と述べた。
今週、安保関連法案の審議が、最大のヤマ場を迎えた。
与党推薦の外交評論家・岡本行夫氏は「世界が助け合っている時に、日本がわれ関せずという態度をとり続けることは、日本人の命と財産を守るリスクと負担は、ほかの国に押しつけるということを意味する」と述べた。
与党推薦の識者が、法案の必要性を訴えたのに対し、野党推薦の識者は、憲法違反だと指摘し、13日も意見が分かれた安保法案。
野党推薦の法政大学・山口二郎教授は「専守防衛を逸脱するもので、憲法違反であると考えます。他国の武力行使に一体化することは、戦争への参加を意味します」と述べた。
13日に行われた中央公聴会で、5人の有識者が、法案に対する意見を述べた。
中央公聴会とは、予算や重要法案などの際、国民の意見を聞くために開かれるもので、採決の前提となるもの。
菅官房長官は「審議時間が100時間を超えており、(採決の)時期については、国会で決めていただく」と述べた。
与党側は、これで採決の環境が整いつつあるとして、15日にも委員会で採決を行うことを目指しているが、強引な採決は認められないと、民主党が反発している。
民主党の枝野幹事長は「到底、採決なんてできる状況じゃない。国会の外側から、暴走ストップのために、それぞれのできる範囲で、最大限のご協力をいただきたい」と述べた。
国会の外では、市民団体らが、プラカードを掲げ、安保関連法案反対を訴えていた。
一方、安倍首相は、国民に理解を広めるため、立て続けに自民党のインターネット番組に出演し、法案の必要性を訴えている。
安倍首相は10日、「国民の命を守り、国を守る責任は、まさに私たちにある」と述べた。
議論が不十分との指摘もある中、安保関連法案の採決は、15日にも行われる見通し。

安保法制、公聴会で賛否 与党、週内に委員会採決目指す

朝日新聞(2015年7月13日)

 新たな安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会で13日午前、専門家から法案への意見を聴く中央公聴会が開かれた。集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ法案は「憲法違反」という指摘や、安全保障環境の変化を理由に必要だとする意見が示された。中央公聴会は採決の前提となるもので、与党は週内の委員会採決をめざしている。

 野党推薦の木村草太・首都大学東京准教授(憲法学)は「日本への武力攻撃の着手がない段階での武力行使は違憲だ」と明言。法案の違憲性を問う訴訟があれば「裁判所が同様の見解をとる可能性も高い」とし、「集団的自衛権の行使容認が政策的に必要なら憲法改正の手続きを踏み、国民の支持を得ればいいだけだ」と述べた。

 さらに、維新の党が提出した対案にある、個別的自衛権を拡大した「武力攻撃危機事態」について「外国軍への攻撃が同時に日本への武力攻撃の着手になる事態を意味すると解釈するなら合憲だ」との考えを示した。

 野党推薦の小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学)は、集団的自衛権を使う際の前提条件「存立危機事態」の定義があいまいで、行使の歯止めがなくなりかねないと批判した。その上で、「(海外派遣された)自衛隊員が相手方に拘束された場合、戦闘員でも文民でもないという不安定な地位に追いやられる」とも指摘した。

 野党推薦の山口二郎・法政大教授(政治学)は、集団的自衛権の行使容認で日米同盟が緊密になって抑止力が高まるとの政府の主張に対し「中国との対話や相互理解はそっちのけで、自国が武力行使する可能性を拡大すれば、より安全になるとの主張は政治的に稚拙だ」と批判した。

 一方、与党推薦で外交評論家の岡本行夫氏は「宗教や民族、国家間の対立が先鋭化し、過激派組織『イスラム国』のような暴力的な準国家組織が勢力を伸ばしている。一国で生命と財産を守り抜くことは不可能だ」と述べ、法整備に賛意を示した。

 与党推薦の村田晃嗣・同志社大学長(国際関係論)は「中国が経済的に急速に力を付け、軍事力や外交的な影響力に転化しようとしている」とし、「こうした中で日米同盟の強化は理にかなったことだ」と述べた。(小野甲太郎)

■菅官房長官「論点、整理された」

 菅義偉官房長官は13日午前の記者会見で、安全保障関連法案について「審議時間が100時間を超え、維新の党から対案が出されたこともあり、論点はだいぶ整理されている」と述べ、衆院採決に向けた環境が整いつつあるとの認識を示した。


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