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2015年07月02日

「安保法案 東京大学人緊急抗議集会・アピール」実行委員会、「安倍政権による安全保障関連法案成立の動きに際して」

東京大学職員組合
 ∟●「東京大学人、緊急抗議集会」実行委員会

安倍政権による安全保障関連法案成立の動きに際して
「東京大学人、緊急抗議集会」実行委員会
呼びかけ趣意書

 戦後70年が経とうといういま、政府によって日本の国のかたちがおおきく変えられようとしている。日本はどのような道へ進むのか、われわれはその決定的な岐路に立っている。

 政府が今国会中にも成立させようとしている「平和安全法制整備法」および「国際平和支援法」は「切れ目のない」対応という名目のもと、戦争に対して日本がいかなる姿勢をとるのか、その致命的な変更をもたらすものである。われわれはこの法案に対し「安全保障関連法案の今国会での成立に反対する」という一点のもとに共同し行動することを、東京大学のあらゆる構成員 に呼びかける。

 本法案の争点は多岐に及び、われわれは多くの疑問や危機感をいだいている。憲法改正の手続きを経ぬまま、従来確立されていた自衛隊の最も基礎的なあり方さえ一時の政府の憲法解釈変更と法案の強行採決によって変更する、これは明らかに立憲主義に反するのではないのか? 法案にあるような後方支援を拡大すれば、自衛隊が本格的な戦闘をおこなうことになるのではないか? すでに武力行使ではないなどとは言えないのではないか? この法案が通れば本当に日本はより安全に近づき国際的な平和にも貢献できるのか? 疑問は尽きない。国会の審議における政府答弁は 政治的責任に応えたものではなく、様々な識者の意見によっても問題は積み重なるばかりである。われわれはこの法案に対して、抗議の声を上げずにはいられない。

 東京大学には、戦前、軍国主義の波に飲まれ、学問の自由を失い、多くの学徒を戦争に動員された痛苦の歴史がある。ふたたびその歴史を繰り返さぬために力を合わせ、平和と民主主義の破壊を止めることは、われらが先人への誓いであり、未来の世代への責任である。今こそ、自らの教育・研究を通じて「世界の平和と人類の福祉」に貢献するという決意(東京大学憲章・前文)を発揮し、全東大人の平和への意思を示すときではないだろうか。

 われわれは具体的な実施計画として次のことを提起する。一)「安全保障法制の今国会での成立に反対する」の一点で結集する集会に向け、集会への参加の呼びかけとともに、その主張にたいする賛同・メッセージを、東京大学の学生、職員、教員、OBOGの各方面に募る。二)集会において、各登壇者がスピーチをおこない、また募集したメッセージをもとに作成した集会アピールを 採択に付す。三)以上の結果を政府、国会議員、メディアに訴え、広範かつ有効な波及をねらう。 四)この度のたたかいは、今国会が9月下旬まで延長されることを考慮し、学生・研究者はその本分たる学業学問の両立も鑑みつつ、集会後も持続した行動をとることを確認する。

 いまこそ、われわれはどこから来て、どこへ向かうのか、その問いに向き合わなければならない。法案阻止を確信し、即座に行動を開始してゆきたい。

2015年6月29日
安保法案 東京大学人緊急抗議集会・アピール実行委員会

◇呼びかけ人(6月29日現在)

(理科Ⅰ類2年)
(法学部3年)
(理科Ⅰ類1年)
(法学部4年)
市野川容孝(総合文化研究科教授 社会学)
小森陽一(総合文化研究科教授 日本近代文学)
外3名

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