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2015年07月21日

安全保障関連法案に反対する学者の会、「安全保障関連法案の衆議院特別委員会と本会議での強行採決に対する抗議声明」

■安全保障関連法案に反対する学者の会

 7月15日衆議院特別委員会、翌16日本会議で、集団的自衛権の行使を容認することを中心とした違憲性のある安全保障関連法案が強行採決されたことに、私たちは強い怒りをこめて抗議します。

 各種世論調査では、戦争法制としての本質をもつ安全保障関連法案に反対が多数となり、8割を超える大多数が今国会での成立は不必要としていた状況の中での強行採決は、主権者としての国民の意思を踏みにじる立憲主義と民主主義の破壊です。

 首相自身が、法案に対する「国民の理解が進んでいない」ことを認めた直後の委員会採決強行は、現政権が国民世論を無視した独裁政治であることを明確に示しています。

 衆議院憲法審査会で3人の憲法学者全員が安全保障関連法案は「違憲」だとし、全国のほとんどの憲法学者が同じ見解を表明しているにもかかわらず、今回の強行採決が行われたことは、現政権が学問と理性、そして知的な思考そのものを無視していることのあらわれです。

 戦後の日本は憲法9条の下で、対外侵略に対して直接的な関与はしてきませんでした。政府は「安全保障環境の変化」を口実に、武力行使ができる立法を強行しようとしていますが、戦後日本が一貫してきた隣国との対話による外交に基づく信頼関係こそが、脅威を取り除いてきたという事実を見失ってならないと思います。

 私たちが6月15日に表明した見解は、多くの学者、大学人に共有され、いくつもの大学で、学生と教職員が一体となった取り組みが行われました。私たちは参議院での審議を注意深く見定めながら、立憲主義と民主主義を守り、この法案を廃案にするために、国民とともに可能なあらゆる行動を実行します。

 2015年7月20日

 安全保障関連法案に反対する学者の会

安保法案に反対 学者など150人が訴え

NHK(7月20日 19時05分)

安全保障関連法案に反対する学者およそ150人が、20日、都内で会見を開き、「法案は憲法9条に違反し、衆議院で採決を強行したことは国民世論を無視するものだ」などと訴えました。
会見を開いたのは、安全保障関連法案に反対するさまざまな分野の学者や研究者、およそ150人です。
会見ではまず、日本学術会議の前の会長で専修大学の廣渡清吾教授が、「総理自身が、法案に対する国民の理解が進んでいないことを認めた直後に、衆議院で採決を強行したことは、国民世論を無視するものだ」などとする抗議声明を読み上げました。
続いて、ノーベル物理学賞を受賞した京都大学の益川敏英名誉教授が、「憲法9条は歴然と生き続けているのに、それをなし崩しにしようとしている。政権が有事だと思ったら戦争ができるというのはとんでもない話で、立憲主義に真っ向から敵対する」と批判しました。
さらに、東京大学の上野千鶴子名誉教授も、「ふだん政治的な行動をしない研究者が、やむにやまれぬ思いで集まったのは画期的なことだ。手遅れにならないうちに行動を起こさなければならない」と述べました。
この学者たちのグループに賛意を表明した学者や研究者は1万人以上に上っているということで、グループは、今月31日には国会前で抗議活動を行うことにしています。


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