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2015年07月21日

安全保障関連法案に反対する長野大学教職員有志アピール

STOP! 違憲の「安保法制」
 ∟●「安全保障関連法案に反対する長野大学教職員有志アピール」の紹介

安全保障関連法案に反対する長野大学教職員有志アピール

本年5月、安倍晋三政権は新法である「国際平和支援法案」と10本の既存法を改正する「平和安全法制整備法案」からなる安全保障関連法案を国会に提出し、現在審議が行われています。私たちは、主に以下の理由から、自衛隊をはじめとする多くの日本人を戦争に巻き込むだけでなく、日本人の手によって他国の人々の命を危険にさらす可能性が極めて高いこれらの法案を廃案にすることを強く求めます。

これらの法案は、武力行使と戦力の保持を禁じた憲法9条に明確に違反しており、憲法改正の手続を経ずに立法することが許されない法案であること。
時々の政権が、同盟国への攻撃を日本にとっての「存立危機事態」と認めれば、自衛隊が他国で武力行使を行うことが可能となり、歯止めとなる明確な基準もないこと。
国際法では武力行使と一体とみなされる武器・弾薬の補給や戦闘機・艦船への給油などの「後方支援」を、同盟国のためなら地球上どこでも行えるようにするものであること。
いま集団的自衛権の解釈変更をしなければならない理由(「安全保障環境の変化」)を、政府自身が具体的に説明できないこと。

そもそも紛争解決の手段としての武力行使は、真に地域の平和と安定をもたらすでしょうか? 2000年代に行われたアメリカなど多国籍軍のアフガニスタンやイラクに対する攻撃では、戦闘員だけでなく子どもを含む多くの市民の命が奪われ、混乱は現在に至るまで続いています。そこで生まれた「暴力の連鎖」「憎しみの連鎖」は、世界中にテロの恐怖となって広がりつつあります。しかし日本政府は、これらの武力介入に後方支援を行い協力したことへの反省や総括を全く行っていません。この「憎しみの連鎖」を生み出す側に日本がたつことを許すのか、そのことがいま私たち自身に問われています。

長野大学がたつ信州・塩田平の一角には、第二次世界大戦で亡くなった画学生の遺作を展示した「無言館」があります。ここに展示されている絵の一枚一枚からは、戦争によって未来を奪われた若者たちの無言の叫び、愛する者を戦争で奪われた家族や友人や恋人たちの叫びが聞こえてきます。70年前にこの叫びを生み出した社会状況の再来を許すのか、そのことがいま私たち自身に問われています。

私たちは大学人として、大学での教育や研究、学びを通じ、日本国憲法が要請する基本的人権の尊重、国民主権、そして平和主義を日本社会で実現することに寄与したいと願っています。私たちは長野大学で学んだ若者が、他国の人々を傷つけることも、戦争によって人生を狂わされることも望んでいません。私たちは、このような立場から、立憲主義を破壊し、憲法が求める戦争放棄と武力行使の禁止に違反し、日本および世界の人々の平和的生存権を脅かす安全保障関連法案に反対し、これを廃案にすることを強く求めます。

2015年7月14日

安全保障関連法案に反対する長野大学教職員有志一同

<呼びかけ人>
久保木匡介(環境ツーリズム学部) 長島伸一(企業情報学部) 鈴木忠義(社会福祉学部) 早坂淳(社会福祉学部) 安井幸次(環境ツーリズム学部) 相川陽一(環境ツーリズム学部)


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