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2015年07月31日

神戸学院大講師にハラスメント 東大大学院の男性講師に1126万円支払い命令

産経新聞(2015.7.30)

 神戸学院大の30代の女性講師が、論文の指導を受けていた東大大学院医学系研究科の40代の男性講師から性的行為を強要されるなど嫌がらせを受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、男性に約1230万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、神戸地裁であった。寺西和史裁判官は「性的行為の強要や威圧的な言動など多数のハラスメントがあった」として、約1126万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は、論文作成のため男性から指導を受けていた平成22年7月~24年8月、出張先のホテルで性的行為を強要されたり、海外出張の際、金銭を取り上げられたりするなどの嫌がらせを受け、PTSDを発症した。

 寺西裁判官は判決理由で「女性は研究のために論文を作成しなければならず、共同研究者であり学会の理事などにも就任している男性の意向に逆らいにくい関係にあった」とした。

東大大学院講師に賠償命令 セクハラなどで1100万円

神戸新聞(2015/7/31)

 兵庫県内の大学に勤務する女性講師が、指導役だった東京大学大学院講師の40代男性からセクハラやパワハラを受けたとして、慰謝料など約1200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、神戸地裁であった。寺西和史裁判官は「公私を問わず女性の存在を否定し人格を踏みにじった」などとハラスメントを認定し、約1100万円の賠償を命じた。

 判決によると2012年まで約2年にわたり、首を絞めるなどの暴力やセクハラ行為を度々繰り返し、女性に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症させた。また、出張先で宿泊代や食事代を女性に支払わせ、気に入らないことがあれば未明まで女性を罵倒し続けるなどした。

 提訴前、女性の代理人弁護士がハラスメントを指摘すると、自身が理事を務める学会から女性を一方的に解任したこともあったという。

 寺西裁判官は「女性は学位取得のため論文完成が必要で、実績があり共同研究者の男性には逆らいにくい関係にあった」とした。


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