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2015年08月03日

北大職組、「立憲主義に反する安保法制強行採決に抗議する」

北大職組
 ∟●立憲主義に反する安保法制強行採決に抗議する

立憲主義に反する安保法制強行採決に抗議する

 7 月 16 日に衆議院本会議で安保法制案の採決が強行されました。本法案が,集団的自衛権の行使を禁止している日本国憲法に違反していることは,多くの憲法学者や歴代の内閣法制局長官が指摘しているところです。憲法違反の法案採決を強行することは,「国家権力の暴走を防ぐための憲法」という立憲主義の立場を否定するものであり,およそ民主国家として許されるものではありません。
 本法案の内容は,世界のあらゆる場所で,米軍への補給活動を可能にするというものです。近代戦において補給が戦争行為の一部であることは常識であり,その行為が相手側からの攻撃の対象とされることは必至です。米軍と一体となって活動する日本は,テロの対象となるでしょう。このように,本法案は,日本を戦争行為に巻き込むものです。本来,国の安全は,他国と武力で対抗することで得られるものではなく,粘り強い平和外交によってこそ確保されるものです。このことは,第 2 次世界大戦の教訓であり,その考えは日本国憲法に明確に述べられているものです。今国会の討論では,「補給活動で危険を感じたら撤退するから安全は確保される」などと答弁して本法案の問題点に対して,安倍内閣はまともに答えようとしていません。その結果,世論調査でも,多くの国民が法案の内容が十分説明されていないと感じており,今国会での成立に反対しています。また,国民の理解が得られていないことは,法案を提出した安倍総理自身がみとめているところです。にもかかわらず,採決が強行されたことは民主主義を否定する暴挙です。一部周辺国の領土問題での態度をことさら誇張して危機をあり,それを理由に法案成立を正当化することは断じて許されません。平和であってこそ、学問の自由があります。民主主義が育ってこそ、大学の自治も守られます。本大会は,大学の根幹をも揺るがしかねないこうした暴挙に強く抗議するとともに、安保法案の廃案を強く求めるものです。

2015年7月25日
北海道大学教職員組合定期大会

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