研究者の地位と権利を守るための全国的ネットワークをつくろう!

2015年08月07日

神奈川大学教職員有志、安全保障関連法案に反対するアピール

神奈川大学教職員有志

安全保障関連法案に反対する神奈川大学教職員有志のアピール

 
私たちは反対する。「限定的」だと言い訳しながら、専守防衛を放棄し、日本が攻撃を受けていなくても「同盟国」の戦闘行為に参加する集団的自衛権の行使という質的に新たな道に日本を引き入れることに。
 
私たちは反対する。戦闘する外国軍隊への幅広い「協力支援活動」をつうじて、殺し、殺される武力行使の危険をはらんだ道に踏み込むことに。
 
私たちは反対する。ホルムズ海峡から朝鮮半島まで、「安全保障環境の変化」を縦横に持ち出すことによって、外交的努力を疎かにしつつ、法的拘束を軽視し、ありとあらゆる軍事的対応を正当化しようとする飛躍した論理に。
 
私たちは反対する。自衛隊員のリスクの増大すら直視しようとしない不誠実な態度に、そして殺し殺される戦闘を隣家の火事に例えれば「わかりやすい」かのように考える、国民を愚弄した発想に。
 
私たちは反対する。法的な保障もなく「絶対にない」を繰り返す総理大臣の「総合判断」に戦争への参加を委ねる危険な道に。
 
私たちは反対する。憲法9条のもとで築いてきた「戦争をしない国」としての信頼をこのようにして投げ捨て、国際紛争を解決する手段として武力を行使する「普通の国」になることに。
 
私たちは反対する。圧倒的多数の憲法学者も元法制局長官たちも違憲と認める法案を憲法解釈の変更の名の下に強行し、憲法9条をあってなきが如きものに変えてしまうことに。
 
私たちは反対する。かつてなく高まる世論の反対と疑問を承知のうえで、「今は反対でもいずれは理解される」とうそぶいてそれを冷笑する傲慢さに。
 
私たちは反対する。実質11本もの重大な法案を提出しながら、ひたすら「審議時間」の長さのみを頼りに、予定された結論を急ぐ民主主義の矮小化に。
 
こんな問題だらけの法案を、問題だらけのやり方で押し通すことに、私たちは反対する。
 
そして、知性を欠いた政府による反平和主義的、反立憲主義的、反民主主義的な企てに、自分たちの未来のために異議を申立て、立ち上がった学生たちに、こころから連帯する。
 
2015年8月6日 
神奈川大学教職員有志
 
   2015年8月6日21時30分現在 123名
 
  【呼びかけ人】
   出雲 雅志 (経済学史)
   大庭 絵里 (社会学)
  木村  敬 (物理学)
   窪谷 浩人 (物理学)
   郷  健治 (英文学)
   杉田 弘也 (比較政治学・オーストラリア政治)
   鈴木 陽一 (中国文学)
   辻子美保子 (言語学)
   東郷 佳朗 (法社会学)

|