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2015年08月09日

関西大学教員有志、全保障関連法案に反対する声明

関西大学教員有志

全保障関連法案に反対する関西大学教員有志の声明

 わたしたち関西大学教員有志は、安全保障関連法案に反対し、その即時廃案を求めます。

 この法案の眼目である集団的自衛権の行使容認について、世論は反対意見が多数を占めており、ほとんどの憲法学者や歴代の内閣法制局長官が違憲と判断し、首相みずから「国民の理解が進んでいない」(7月15日午前の衆院平和安全法制特別委員会)と認めています。にもかかわらず、この法案は今まさに法制化されようとしています。

 政権は法案の必要性として「安全保障環境の変化」を挙げますが、費やされた言葉の量にもかかわらず説得力に欠けています。国民の多くは、国政の大転換を意味するこの法案が、憲法秩序と安全保障環境に照らして適切であるとは納得できず、その拙速かつ強引な手法に憤りを感じています。このような政治の進めかたは、憲法を骨抜きにしようとするものであり、護憲か改憲かといった問題以前の立憲主義にたいする挑戦と言わざるをえません。

 法案の目標であるはずの平和は、日々の生活に根ざすのでなければ持続可能でないのは論をまちません。周辺諸国との関係にいたずらに懸念材料を増やす可能性の高いこの法案は、諸外国の人びととの文化的、経済的な交流にさえ水を差しかねません。近代日本の歩みが周辺諸国で起こした軋轢のことを考え合わせると、この法案は、率直に言って、日本社会に関わる多様な人びとの生活にとって迷惑の種にしかならないと憂慮します。

 「正義を権力より護れ」を建学の精神とする関西大学に奉職するわたしたちは、上の事態に際して、まさしく正義を護るべく声を上げる責務を負うと考え、ここに意見表明します。

2015年8月3日
関西大学教員有志

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