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2015年08月13日

横浜市立大学有志、安保法制関連法案に反対する共同アピール

2015年安保法制関連法案に反対する横浜市立大学有志共同アピール

2015年安保法制関連法案に反対する横浜市立大学有志共同アピール

安全保障関連法案に反対し、廃案を求めます

 現在国会において審議されている政府提出の安全保障関連法案に対して、私たち横浜市立大学学生、教員、職員有志は反対し、その廃案を求めます。それは、安全保障関連法案が日本の国のあり方を大きく変えうるものであるにもかかわらず、内容についても、審議のやり方についても、あまりにも問題が多いと考えるからです。
 まず、安全保障関連法案は、「集団的自衛権行使」の名のもとに、自衛隊をいつでも、どこでも、どこまでも派兵することを可能とするもので、明白に憲法9条に違反しています。このことは、大多数の憲法学者や歴代の内閣法制局長官が法案は違憲と主張していることからも明らかです。
 次に、この法案は立憲主義を否定するものです。いかなる法律も政府の行動も憲法を遵守しなくてはなりません。それにもかかわらず、安倍内閣は憲法の解釈を一方的に変えて「集団的自衛権は合憲」としたのみならず、この違憲の法を成立させようしています。これは、明らかに立憲主義を否定することであり、ひいては無法な独裁的政治に道を開くものです。
 第三に、政府の審議の仕方も指摘せねばなりません。政府は衆議院審議において野党からの問いに対して誠実に応答せず、まともな説明をしませんでした。このような政府の態度は、異なる意見を尊重しつつ、理性的な討議を通じて適切な立法を行う議会制民主主義に反するものです。
 第四に、衆議院での強行採決は国民主権を否定するものです。安全保障関連法案に対する反対の声が強く、また法案成立を急ぐことへの懸念を持つ人々が圧倒的に多数であるにもかかわらず、政府与党は衆議院において強行採決を行いました。このことは、主権は国民にあるとする主権在民と民主主義の原理をふみにじるものであり、決して許されてはならないと考えます。
 第五に、あらためて憲法9条を最大限に活かした平和外交を行う重要性です。安全保障関連法案は、軍事力や武力行使で日本の「安全保障」や「平和」をめざすものです。しかし、それで平和をつくれないことは、第二次世界大戦の悲惨な敗戦や、現在の泥沼状態にあるイラク、シリア、アフガニスタンなどの状況を見れば明らかです。
 憲法9条は300万人以上の日本国民、およそ5000万人の第2次世界大戦の犠牲者の上に、「紛争を解決する手段として二度と武力を用いない」確固たる決意とヴィジョンとして世界に示されました。それにより、とりわけアジア諸国の信頼を取り戻し、日本の平和を維持する役割を果たしてきました。今後も軍事力や武力行使ではなく、憲法9条を存分に活かすことで日本の安全を保障し、国際平和を追求するべきであると考えます。
 すでに、全国の数多くの大学で法案への反対を表明する動きが広がっており、学生、学者の法案に対する、理性と知にもとづく抗議行動もさらに高揚しつつあります。
 私たち横浜市立大学の学生・教員・職員有志も、大学で学び、研究し、働く者として、この問題を重く受け止め、検討し、行動する責任を負っていると考え、ここに安全保障関連法案に反対する意見を表明します。平和な未来と、知を創造する自由を守るため、法案への反対、抗議に賛同されるよう、横浜市立大学内外の学生、大学教職員と社会のあらゆる人々に訴えます。

2015年8月7日

安全保障関連法案に反対し、廃案を求める横浜市立大学有志


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