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2015年08月20日

熊本県立大学関係者有志、安全保障関連法案に反対する声明

安全保障関連法案に反対する熊本県立大学関係者有志の声明

安全保障関連法案に反対する熊本県立大学関係者有志の声明

1.安倍内閣が提案し今国会で審議中の安全保障関連法案(「国際平和支援法案」と「平和安全法制整備法案」)は、憲法九条に違反してわが国を「戦争する国」へと誤り導くものです。私たちは、この法案を認めることができません。国会が審議を経て同法案を廃案とされることを求めます。

2.今年 6 月 4 日に行われた衆議院憲法審査会で、憲法学者 3 名すべてが法案を「違憲」とみなしたのにもかかわらず、安倍内閣はこれをないがしろにしようとしています。このことは、長い時間をかけて議論され、洗練されて今に引き継がれてきた学問的成果への軽視にほかなりません。学問の府である大学の関係者として、このような知性に反する態度を認めることはできません。

3.1945年の敗戦まで、熊本には第六師団が置かれ、陸軍幼年学校がありました。また、熊本県立大学は、義烈空挺隊が同年5月24日に沖縄特攻に飛んで行った旧陸軍飛行場跡地に立地しています。熊本地域からは多くの若者が徴兵され、第五高等学校や東洋語学専門学校の生徒、熊本工業専門学校や師範学校の学生生徒も、学徒として戦地へ赴き、若い命が多く失われました。私たちは教育に携わる者として、若者が他国の若者と銃火を交え、命を落とすという状況に再び至ることがないよう切に願うものです。

4.私たちは、「国権の発動たる戦争」と「武力の行使」を放棄した憲法九条を堅持し、憲法前文の「恒久平和」の理念に則って、中国、韓国をはじめとするアジアの諸国・国民、またアメリカ合衆国を含む世界の諸国・国民との平和友好の関係が築かれるよう強く要望し、そのために私たちとしても努力いたします。

5.私たちは、熊本地域の若者・学生の皆さんの安全保障関連法案反対の運動に賛同します。日本を戦争へと誤り導こうとする力に抗して、自らの人生を大切にし、故郷や地域の人々の日々の平和な生活を重んじ、アジアやアメリカを始め世界の若者の命を自らの命と等しく大切なものとおもう皆さんの運動に、心からの声援を送ります。

2015年8月16日

五島 慶一 文学部教員(日本近代文学) 石村 秀登 文学部教員(教育学)
元吉 瑞枝 文学部元教員(ドイツ語・ドイツ文学) 難波 美和子 文学部教員(比較文学)
斎藤 泰 文学部元教員(西洋史) 砂野 幸稔 文学部教員(フランス語・フランス文学)
鈴木 元 文学部教員 梅林 誠爾 文学部元教員(哲学)
深津 和彦 環境共生学部元教員 中島 熙八郎 環境共生学部元教員
大岡 敏昭 環境共生学部元教員(住宅計画学) 匿名希望 環境共生学部教員
藤尾 好則 総合管理学部元教員(情報) 久間 清俊 総合管理学部元教員(経済学)
永尾 孝雄 総合管理学部元教員(法学)
以上

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