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2015年09月23日

山形大、女性研究者のすそ野拡大へ支援 育児と研究、両立可能な環境整備

山形新聞(2015年09月22日)

 山形大は、女性研究者のすそ野拡大と研究力向上を図るため、県立米沢栄養大、大日本印刷(東京)研究開発センターと連携した活躍支援事業を展開する。文部科学省の科学技術人材育成費補助事業に採択され、2020年までの6年間、育児と仕事が両立可能な環境整備に努める計画。10月23日に米沢市内で一般向けセミナーを開き、取り組みを紹介する。

 山形大が研究を進める有機エレクトロニクスに関し、事業の一つ「フロンティア有機システムイノベーション拠点」が今春、文科省と科学技術振興機構の支援プログラムに採択された。同大の関連施設を統括し、有機材料の研究拠点化を推進する試み。県立米沢栄養大、大日本印刷研究開発センターと共に取り組んでいる。有機エレクトロニクスに携わる女性研究者が少ないことを背景に、2機関と連携して活躍支援事業を手掛ける。

 文科省からは年間6千万円を上限に3年間の支援を受け、その後の3年間は独自に継続、7年目に実績報告書をまとめる予定。具体的には、育休から復帰した際の研究費支援や相談員の派遣をはじめ、女性研究者を増やすため大学・企業間の人事交流などを挙げている。

 日本の女性研究者の割合は諸外国に比べて低く、総務省などの調査によると13年度は14・4%なのに対し、欧州と米国は25~35%となっている。山形大の女性教員、研究者の割合は約14%で、6年後には20%を目指している。小山清人学長は「数値目標を高く事業を進めたい。女性研究者が活躍できる環境を企業と共に整えたい」としている。

 3機関によるダイバーシティ連携推進会議を10月1日、米沢市の山形大工学部キャンパスに設置して事業展開する。第1弾の取り組みとして10月23日午後1時から、工学部内で今後の方向性や研究内容を紹介するセミナーを開く。


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