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2015年10月09日

奨学寄付金7億円を収益に計上、秋田大の赤字圧縮

さきがけ(2015/10/08)

 秋田大(澤田賢一学長)は7日、2014年度決算で、教育研究助成などに充てられる「奨学寄付金」を、赤字額を少なくする目的から収益に計上する不適切な会計処理が行われていたことを明らかにした。実際は15億3千万円だった赤字額は、7億2千万円少ない8億1千万円に圧縮されていた。同大は、この会計処理を指示した財務担当理事(59)を学長付理事に降格したのをはじめ、計7人を処分した。

 14年度は同大の9年に及ぶ病院再開発整備事業の最終年度で支出が膨らみ、赤字が拡大した。財務担当理事はこれを圧縮するため、奨学寄付金(19億5千万円)のうち7億2千万円を収益に計上するよう指示した。

 奨学寄付金は、個人や一般企業が大学の特定の教員らに、教育研究助成などの目的で提供する資金。国立大学法人会計基準では、受領時点で負債計上され、教育研究に充てられ費用が発生した段階で収益に振り替えられる。だが今回は、赤字額を圧縮するという全く別の目的から収益に計上された。同大奨学金取扱規程では、教員らが寄付者から同意を得れば使途変更が可能になるが、その手続きも行われていなかった。


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