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2015年11月14日

千歳リハビリテーション、大学移行へ手続き

苫小牧民法(2015年 11/13)

 北海道千歳リハビリテーション学院(千歳市里美2、伊藤俊一学院長)は、2017年度からの私立大学「北海道千歳リハビリテーション大学」への移行を目指し、文部科学省に大学設置の認可を申請している。大学設置・学校法人審議会が設置要件の適合性を判断し、来年8月ごろまでに認可の可否が決定される。

 千歳リハビリテーション学院は1995年に開校した理学療法士、作業療法士を育成する3年制の専門学校。現在の学生数は360人。昨年度までに1553人の国家試験合格者を輩出し、卒業生の多くは道内の医療機関でリハビリ医療の専門家として活躍している。

 3年間の短期集中教育で即戦力の人材を育成するのが同学院の特色だが、少子高齢化が進む社会情勢の変化に対応し、さらに高度で幅広い教養を備えた人材を送り出すために大学への移行を目指す。昨年7月に大学設置準備室を設置。認可申請の準備を進め、今年10月に申請した。

 新大学は健康科学部、リハビリテーション学科の1学部1学科で、学科内に理学療法学専攻(定員80人)と作業療法学専攻(定員30人)を設ける。認可されれば、千歳市では1998年開学の千歳科学技術大以来2校目の大学開設で、リハビリ専門の学科を持つ大学は道内で7校目(私大では5校目)となる。

 大学設置準備室を統括する南俊夫参与は「少子高齢化でリハビリ医療の人材需要が増す中、特に北海道では人材が都市部に集中している。病院の中だけではなく、地域に出て働く人材が求められている」と語り、新大学の特色を「教育、研究の両面から障がい予防のためのリハビリに取り組み、道民、千歳市民の健康づくりに貢献する」と説明する。

 大学移行に当たり教養科目を充実させ、地域医療の実態を学ぶ教科やコミュニケーションの理論を学ぶ教科など、地域社会に貢献するための豊かな人間性を養う教育を盛り込んだ。

 設備は現在の校舎を改修、増設し、図書館や学生サロン、教員研究室などを増設部分に配する。大学設置の要件となる運動場は昨年度、千歳臨空工業団地(泉沢)内に体育館を購入。現在も学生が利用している。

 伊藤学院長は「何より人間性を重視して、充実した研究により高度な専門知識と技術を培い、地域に貢献できる人を育成する」と目指す大学の姿を表し、新大学開設の意義を強調する。


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