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2015年12月02日

北大、国立大学法人の機能強化に向ける国による財政支援の充実を求める声明

北大
 ∟●国立大学法人の機能強化に向ける国による財政支援の充実を求める声明

国立大学法人の機能強化に向ける国による財政支援の充実を求める声明

平成27年11月24日

国立大学法人北海道大学経営協議会学外委員
秋 庭 英 人 北海道経済産業局長
五十幡 玲 子 株式会社インテグラル代表取締役
石 山 喬 日本軽金属ホールディングス株式会社代表取締役会長
大 内 全 北海道経済連合会会長
一般財団法人北海道電気保安協会理事長
Christina Ahmadjian 国立大学法人一橋大学大学院商学研究科教授
富 田 敏 明 北海道高等学校長協会会長
北海道札幌南高等学校長
辻 泰 弘 北海道副知事
林 菜つみ 弁護士(林菜つみ法律事務所)
樋 口 達 夫 大塚ホールディングス株式会社代表取締役社長兼 CEO
平 山 健 一 国立大学法人福島大学監事
元国立大学法人岩手大学長
古 川 周 三 北海道新聞社論説主幹
松 谷 有希雄 国立保健医療科学院名誉院長
横 山 清 株式会社アークス代表取締役社長
株式会社ラルズ代表取締役会長兼 CEO
(五十音順)

 私たちは、国立大学法人法に基づき設置されている経営協議会の学外委員として、北海道大学の経営に関する重要事項の審議に参画し、社会からの視点で、経済、行政、地域等多方面から様々な意見を述べており、大学も私たちの意見を真摯に受け、懸命に取り組んできました。

 北海道大学に限らず、各大学では、これまでも業務の効率化や経費の節減を進めるだけでなく、国立大学法人の経営の観点から、競争的資金や寄附金等の外部資金獲得の増、附属病院収入の増など様々な取り組みを行いながら教育研究活動の維持向上に努めています。しかしながら、国立大学法人の基盤的経費である運営費交付金が大きく削減される中、国立大学法人として求められる機能を維持し、さらに機能強化を進めることは困難な状況にあると、私たちは強い危機感をもっています。

 国立大学法人の基盤的な経費である運営費交付金は、平成 16 年度の法人化以降 10 年間で大きく削減され、交付金額は北海道大学では 85 億円(▲19.0%)の減少となっており、国立大学法人全体でみると 1,292 億円の減少(▲10.4%)に及んでいます。

 現在、「日本再興戦略」改訂 2014 や「経済財政運営と改革の基本方針 2014」の中で大学改革が重要な柱として位置づけられ、国立大学法人の運営費交付金の重点的・戦略的な配分強化を行う一方で、実際には基盤的経費の削減が一層強化されようとしています。

 運営費交付金と各種の競争的資金を組み合わせたシステムにより国立大学法人の一層の機能強化を図ることは重要ですが、このままの形で基盤的経費の削減が続いていくならば、「科学技術イノベーションの推進/世界最高の知財立国」、「世界最高水準のIT社会の実現」、「今後 10 年間で世界大学ランキングトップ 100 に日本の大学を 10 校以上」などの政策目標が達成できなくなるものと大変危惧しております。

 政策目標の達成と国立大学法人の将来、ひいては日本社会を支える学術研究の発展と高等教育の未来への投資として、今、国立大学法人の機能強化を支える基盤的サポート体制の構築が必要です。

 国立大学法人法が改正され、経営協議会において学外委員を過半数とすることとなったことは、私たちのこれまでの「社会の目」としての役割が認められたと同時に、私たちに国立大学法人の経営に対する責任をこれまで以上に求めているものだと認識しています。

 これから、第3期中期目標期間を迎え、国立大学法人が一層の機能強化を実行するにあたり、世界トップレベルの研究・人材育成と地方創生を担う基幹国立大学としてその責務を果たせる基盤的財政支援を、国として実施されるよう要請いたします。


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