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2016年02月18日

常葉大短大部不当解雇事件、静岡県内3大学教職員組合の合同声明「巻口勇一先生の教育研究者としての権利を守るため速やかなる職場復帰を行うことを求めます」

静岡県内3大学組合合同声明(2016年年2月16日)

巻口勇一先生の教育研究者としての権利を守るため
速やかなる職場復帰を行うことを求めます。

 本年1月25日に静岡地方裁判所は、昨年7月3日の巻口先生の地位保全を認めた仮処分決定の有効性を再度確認しました。これは、常葉大学による解雇措置にもかかわらず、巻口先生が「労働契約上の権利を有する地位にあること」を繰り返し認めたものです。解雇措置を巡る裁判が進行中とは言え、それが確定するまでは、巻口先生の労働者としての権利は労働契約法に基づいて厳格に保護されるべきものです。私たち三大学の教職員組合は、常葉大学が司法の重ねての判断を尊重して、巻口先生の速やかなる職場復帰を行い、その教育研究者としての権利と活動を保証することを求めるものです。
 静岡地方裁判所の判決は、常葉大学の巻口先生に対する解雇措置が、巻口先生の常葉大学に対する内部告発に端を発したものであるとの認識に立ちつつ、常葉大学側が、巻口先生が常葉大学の「脅迫行為」を強要罪として告発したことを、「学園の秩序を乱し、学園の名誉又は信用を害した」として懲戒解雇処分としたことに対して、「本件懲戒解雇は処分として、重きに過ぎるものと言わざるを得ない」として「本件懲戒解雇は無効であると一応認められると」認定したものです。
 この判断のもと、仮処分判決は、巻口先生の「教育・研究活動は、単なる労働契約上の労務の提供に止まらない。准教授の地位に基づくがゆえになし得る研究や学会活動などがあり、これらは、・・・仮の地位の保全を認めなければ」、巻口先生に「回復しがたい著しい損害が生じるというべきである」と地位保全の必要性と緊急性について特別に強調をしています。
 昨年7月の仮処分決定に対して、常葉大学がその取消しを申し立ててきたことによって、巻口先生の回復しがたい著しい損害は一層深刻なものになってきたと言えます。今回、この異議申し立てが却下されたことの重みを、常葉大学は真摯に受け止めて対応することが、高等教育機関としての義務であると考えるものです。私たち三大学の教職員組合は、内部告発者の権利は「公益通報者保護法」等に基づき最大限尊重されるべきであり、かつ教育研究者の労働契約法上の権利は厳格に擁護されるべきものと考えるものであり、重ねて静岡地方裁判所の決定の尊重を常葉大学に求めるものです。

2016年年2月16日
              
静岡大学教職員組合  執行委員長 藤井道彦
静岡県公立大学教職員組合 執行委員長 佐々木隆志
静岡英和学院大学教職員組合 執行委員長 児玉和人

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