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2016年02月14日

奨学金返済、全額肩代わり…県内3年就職が条件

読売新聞(2016年02月13日)

 鹿児島県は、日本学生支援機構の奨学金を無利子で借りている県出身者が大学卒業後に県の基幹産業で最低3年間就職することを条件に、奨学金の返済を全額肩代わりする制度を設ける。

 毎年100人を募集する計画で、今春の就職者から対象とする。新年度一般会計当初予算案に関連費2億円を計上した。

 発表によると、教育の機会均等と、農林水産、IT、観光といった県の基幹産業を担う人材の確保が目的。都道府県レベルで同様の制度を設ける動きが始まっているが、県教委は、全額を肩代わりするのは珍しいとしている。

 県教委によると、制度は基金を設けて運用し、毎年4億円ずつを積み立てていく。市町村、経済団体にも協力を求めており、毎年、県が2億円、市町村と経済団体が計2億円を出資していくことを想定している。

 申し込みの機会は高校3年生時と、大学3年生時の2回設け、県、市町村、経済団体でつくる選考委員会で審査する。選考されても実際に条件となる産業に就職しないと対象外となる。2016年度に限っては、大学4年生も申し込める。

 日本学生支援機構の奨学金を無利子で借りるには家庭の経済的事情に加え、成績が優秀であることなどが条件。4年間の貸与金額は最高で計300万円を超える人もいる。

 今回の制度で就業条件を最低3年間としたのは、3年間働いた場合、離職率が低いからだという。

 伊藤知事は12日の記者会見で、「社会的な公正や貧富の差の是正を図るには教育の機会を確保することが大切。財政的な制約によって大学へ進めないことがないような社会をつくりたい」と述べた。


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