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2016年02月24日

酪農学園大学長解任無効確認訴訟、第一回口頭弁論報告

酪農大はやっぱり素晴らしい!
 ∟●第一回口頭弁論 報告(2016.02.23)

第一回口頭弁論 報告


 2月22日 10:00~ 札幌地方裁判所7階 704号法廷で第一回口頭弁論があり、20席の傍聴席は干場前学長の支援者(新生した「酪農学園の建学の精神と教育を守る会」会員、酪農大OB・学生、一般市民等)で満席となりました。被告側からは、弁護士も含めて出席は無く、開廷後裁判長によって被告(学校法人酪農学園)から答弁書が提出されたこと、次回法廷を4月20日午前10時に調整したことが原告側に告げられ閉廷となりました。その間数分で唖然としましたが、民事裁判の一回目の口頭陳述は、その日程を原告側が設定するため、被告の都合がつかない場合には、今回のような被告側の出席ゼロによる開廷もあるとのことでした。それでも、沢山の傍聴人が出席したので、裁判長は常より丁寧な進行だったと市川守弘担当弁護士から説明を受けました。
 答弁書の内容は第一、学長解任に伴う損失所得の補償については①「原告の請求は棄却する。」②「訴訟費用は原告の負担とする。」、第二、解任の理由については①「次会期日までに主張する。」が原文で、肩すかしを食わされたような簡単なものでした。
 不完全燃焼の支援者は市川弁護士の配慮で1階の一室に集まり、「我が国の民事裁判はドイツの裁判方式を取り入れた書面のやり取りが主体で、尋問は証人喚問に限られている」こと等の裁判進行について説明を受けました。その後、市川弁護士から「全国的に大学の自治が侵されているが、これに対抗するための横の繋がりはあるのか」との質問が傍聴参加者に投げかけられ、議論となりました。また、前述した「守る会」の設立総会について幹事長から、守る会のこれからの取り組み計画が会長からそれぞれ紹介されました。
 横の繋がりについては、神沼北大名誉教授から全国の国立大、私大に対する自治侵害と反対闘争の状況が報告され、さらには、参加した酪農大学生、江別市民、酪農大OB生等の自己紹介や決意が熱く語られて、有意義な交流会となりました。とくに岡本酪農大名誉教授から経営優先の学校経営が教育、農場運営等に及ぼす危惧についての話題は示唆に富むもので、多くの参加者の共感を呼びました。また、同教授からは酪農大の教育環境は今が底で、これから上がるしかないこと、浜中農協のような経営体が組合長自らが先頭に立って学園理事者に反対表明をしていること等をあげ、十分に希望があることが語られました。
 以上のように第一回口頭弁論は支援者にとっては期待はずれのものでしたが、これを十分に埋めた交流会をもつことができました。
 次回(4月20日)は、被告(学園)側のスケジュールも確認して設定されており、必ず出席するとのことなので、改めて傍聴をお願いするところです。

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