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2016年03月16日

国歌斉唱なしに文科相「恥ずかしい」 憲法学者、発言撤回求め声明

東京新聞(2016年3月15日)

 入学式や卒業式で国歌斉唱しない方針を示した岐阜大学学長を「恥ずかしい」と批判した馳浩文部科学相の発言をめぐり、憲法学者七人が十四日、東京・永田町の参院議員会館で会見し、「発言は学問の自由を保障した憲法二三条の趣旨に違反する」として、撤回を求める声明を発表した。
 声明は、学問の自由を制度的に保障するのが大学の自治とした上で、「憲法の通説は、政治権力は大学の自治に介入してはならないと考えている」と指摘。九十六人の憲法学者が賛同者に名を連ねる。
 武蔵野美術大の志田陽子教授は会見で「かつてナチスが美術、音楽、映画を統制し国の方針とそぐわないものをおとしめるレッテルを貼った。馳文科相の発言はそれと同じ」と批判。日体大の清水雅彦教授は「憲法二三条を分かっていない人が文科相であることはおかしい」と訴えた。
 研究室に日の丸を飾り、大相撲の千秋楽で一緒に国歌斉唱するという群馬大の藤井正希(まさき)准教授は「それでも国旗、国歌は国に強制されるべきものではない。十八歳選挙権の時代だからこそ、学生の自主的判断を尊重すべきだ」と述べた。
 岐阜大の森脇久隆学長が二月十七日の定例会見で、卒業式などで国歌斉唱しない方針を示すと、馳文科相はその後の会見で「国立大学として、ちょっと恥ずかしい」などと批判した。

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