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2016年03月16日

北海道大、研究費2000万円詐取容疑で元教授ら書類送検

毎日新聞(2016年3月15日)

 北海道大の教員が業者に研究費を不正に管理させていた「預け金」問題で、北海道警は15日、研究費など約2000万円を北大からだまし取ったとして、元男性教授(62)と取引業者3人を詐欺容疑で書類送検した。

 捜査関係者によると、元教授が不正に受給した研究費を弁済したとして、北大は15日付で告訴を取り下げた。不起訴処分になる見通しという。

 書類送検容疑は、元教授は業者と共謀し、遺伝子病制御研究所に勤務していた2006?11年ごろ、研究用試薬などの物品を購入したと偽って架空請求し、北大から研究費計約2000万円をだまし取ったとしている。

 元教授が預け金を自家用車のタイヤ購入費や車検費用、高級腕時計の購入費、飲食代に充てるなど私的に流用したとして、北大は13年6月、道警札幌北署に告訴。業者には預け金の1?2割を渡していたという。

 元教授は北大から「懲戒解雇相当」の処分を受けたが、13年7月に退職し、退職金の受け取りも辞退した。

 北大が14年7月に発表した預け金問題などに関する調査の最終報告書によると、04年度以降、不正経理は総額約5億3500万円に上り、元教授を含め教員59人が関与した。このうち56人を処分。私的流用したのは元教授だけだったとした。【日下部元美、千々部一好】

預け金

 教員の架空請求に基づき、大学が支払った研究用物品の代金を業者に管理させた。後で引き出し、目的外の物品の購入に充てたり、私的に流用したりする不正な経理で、北大では2011年7月、札幌国税局の指摘を受けて問題が発覚した。


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