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2016年04月12日

筑紫女学園、運営で対立 教職員の95%、解任要求 理事長「手続きに問題ない」

西日本新聞(2016年04月11日)

 福岡県内で大学や中学・高校、幼稚園を運営する学校法人「筑紫女学園」(同県太宰府市)を巡り、笠(りゅう)信曉理事長と教職員の対立が深刻化している。教職員らは笠理事長が学内手続きを無視し、突然理事を解任するなど「独善的な運営が目立つ」として早期辞任を要求。一方、笠理事長は西日本新聞の取材に対し「すべて理事会の承認、決定を得ており、手続きに問題はない」と説明する。双方の溝は埋まりそうになく、泥沼化の様相を呈している。

 笠氏は法林寺(同県糸島市)住職で、学校法人「法林学園」理事長などを経て2007年から筑紫女学園の理事長。現在3期目。

 教授会などによると、笠理事長は自身の解任が議題になった理事会を前に、決議に賛同していた理事を解任したり、理事に対して利用計画の具体的な説明がないままに約3億円で土地を取得したりしたとされる。

 こうした姿勢に教授会は「学園トップとして経営判断能力に欠けている」と主張。理事長に対する不信任決議は、中学・高校の教職員も含めて昨年11月から今年3月まで計4回に上り、学園教職員の95%が賛同しているという。

 また、現理事14人中8人も教職員に賛同。理事会開催を求めているが開会に必要な10人に満たず、開けない状態が続いている。

 3月25日には、学園敷地内で笠理事長が運転する車が大学教授に接触する事故も発生。この日は定例の理事会だったが、笠理事長が当初予算などの審議をせずに退席したため、車の前に立ちはだかった男性教授の左足に接触したという。

 笠理事長は「何も不正はなく、すべて理事会の決定に沿っており、間違ったことはしていない。なぜ問題にされるのか不思議だ」と話している。

 文部科学省は「私学の自主性を重んじているので、学園の運営について介入することはできないが、子どもたちや教育に支障がないように双方で話し合ってほしい」としている。


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