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2016年06月20日

短大数ピークの6割 大学全入時代、学生集まりにくく

神戸新聞(2016/6/18)

 66年の歴史がある神戸山手短期大学が、2018年度から募集停止に踏み切る。近年、短大数は全国的に減り、ピーク時の6割、学生数は4分の1に落ち込む。かつては「就職に強い」という魅力から、女子を中心に幅広く学生が集まったが、選ばなければ希望者全員が入れる「大学全入時代」に突入。保育士養成など特定分野しか学生が集まりにくい状況があるという。

 学校基本調査によると、兵庫県内の高校を昨年3月に卒業した生徒の大学進学率(通信教育などを除く)は55・5%で、10年前と比べて約9ポイントアップ。一方、短大進学率(同)は5%で、約3ポイント下がった。

 県立高校の50代教員は「20年前なら、女子に大学進学を勧めると保護者が『短大でいい』と反対した。いまは大学か専門学校を選ぶ子が多く、短大はほとんどない」と話す。

 短大は1949年、学校教育法改正で制度化。翌50年から開設された。神戸山手短大もこの時、女子短大としてスタートした。

 その後、企業の短大卒採用増や、短期間で学べることから人気が高まり、96年には全国で大学を上回る598校に達した。

 だが、少子化の波とともに、短大人気も低調に。11年に神戸松蔭女子学院大(神戸市灘区)が短期大学部を廃止するなど、14年度には全国353校(県内17校)とピーク時の6割、学生数も4分の1の約13万6千人に減った。

 県私立短大連合会の一谷宣宏理事長(園田学園理事長)は「女性の総合職採用が増えたり、4年間学ぶ時間的余裕ができたりして、時代が変わった。定員割れが続き、大学に吸収するケースが多い」と話す。その上で「地域に密着した短大はこれからも必要だ」と強調した。

 一方、新学科ができたばかりの募集停止方針に、神戸山手短大内部からは批判の声が上がる。ある教員は「新学科は定員の9割を満たした。二年制で学費が安く、資格も取れる短大にはニーズがある」。別の教員は「教員に十分な説明がない」と憤る。一部生徒から「学校はどうなるのか」と、戸惑いの声も寄せられているという。


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